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【京都市】山科区 旧東海道にある『諸羽神社』で芸能&福祉にまつわる神様にお詣り♪

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都市山科区の四ノ宮にある神社である『諸羽神社(もろは)』は、地元では『四ノ宮』と親しまれています。862年に社殿が造営されたと伝わっています。

毎年8月22&23日行われる「六地蔵めぐり」のお地蔵様の一つである「山科地蔵」がいらっしゃる「徳林庵」。そこから一本、京都側の道を入ったところに「諸羽神社」入り口があります。

古くから京都への出入り口にあたる街道である、旧東海道に存在する『諸羽神社』は、山城国宇治郡山科郷の「第四の宮」とされます。

天孫降臨の神話の中で、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の左右に従った天児屋根命(あめのこやねのみこと)と天太玉命(あめのふとだまのみこと)を祀るところから、兩羽(もろは)大明神と呼ばれるようになったとか。

また、この辺りは琵琶の名手であった「人康親王(さねやすしんのう)」の史跡が多い界隈です。その史跡をめぐる「四ノ宮めぐり」というのも開催されてます。

人康親王が28歳で視力を失う前年に人康親王の甥である清和天皇が即位し、862年に創建された神社です。

「諸羽神社」境内にある「琵琶石」も人康親王由来と伝わってます。『伊勢物語』七十八段で藤原常行が山科の禅師の親王に献上した「紀の国の千里(ちさと)の浜の石」と伝えられるのですが、真偽の程は不明だそう…

境内の裏には、小さなお社などもありました。

昔の境内で使われていた瓦なども大切に保管されてます。

静かな境内は、自然いっぱいに囲まれ、厳粛な空気が流れていながらも癒される場所です。

神木の幹でしょうか、こちらも大切に管理されています…

和歌を読んだり、笙や琵琶という楽器の名手であった親王は、能の演目である「蝉丸」伝説の元になっていたり、「伊勢物語」などにも登場しますよ。『平家物語』の中で「木曽、もろは山の前、四の宮川原に打出で・・・」と登場する”諸羽山”は、「諸羽神社」の裏にある山の事だそうです。

四ノ宮から逢坂山を越えた滋賀県大津市には、その「蝉丸」を祀った「蝉丸神社」という芸能の神様を祀る神社もあります。

「蝉丸神社」社伝によれば創祀は天慶9年(946年)で、主祭神の蝉丸大神が音曲芸道の祖神と仰がれたことから諸芸能を生業とする人々に崇敬され、それら人々の興業には当神社による免許が必要とされたという。

親王は、盲目の法師たちに琵琶を教え、生業の道を開かれたことからも”芸能の神様”だけでなく、”福祉の神様”とも崇められています。

「高津商会」などで日本映画や芸能に関係のある仕事をしている関係上、しっかりとお参りをさせていただきます♪

諸羽神社
住所:〒607-8043 京都市山科区四ノ宮中在寺町17
TEL:075-581-0269

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。フォトジャーナリスト、写真映像家、音楽・イベントプロデューサー、特殊ツアープロデュース・ガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。日本映画の発祥時より美術に携わってきた”ジャパニーズハリウッド”京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深め世界進出を夢見る毎日。

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