Yahoo!ニュース

温泉専門家が教えるハズさない宿選び 素泊まりか1泊2食付きかを迷った時の答えとは?

植竹深雪温泉専門家/温泉ジャーナリスト
草津温泉の新名所 温泉門

温泉ジャーナリストの植竹深雪です。


温泉に行こうと思い立ってみたものの、ふと悩むかもしれないということ

「素泊まり」or「一泊二食付き」……悩ましい選択 かもしれないなと思うのです。

温泉旅館に泊まるとき、スタンダードなプランは「一泊二食付き」ですが、
ここ数年で「素泊まり」のプランを取り入れている湯宿がだいぶ増えてきました。

そこで「素泊まり」がいいのか、「一泊二食付き」がいいのか? 迷う方も少なくないかもしれません。

「素泊まり」は文字通り食事が付かない、ただ泊まるだけのプランのこと。昔ながらの湯治宿では自炊して温泉で療養するというスタイルゆえ、「素泊まりのみ」としているところが多いのですが、近年は湯治宿ではなくても、食事が付かないプランがあるところがだいぶ増えてきています。


ちなみに、宿泊料金と食事料金を別にするという「泊食分離」という形式を採用している湯宿もあります。リーズナブルで自由な「素泊まり」「素泊まり」、つまり食事が付かないプランが魅力的なのは、何よりもまず時間の縛りがゆるくなることでしょう。

一泊二食付きのプランだと、夕食の時間がだいたい18時前後であることが多く、チェックインの時間もだいたい17時くらいまでとしているところが多いので、仕事を終えてから温泉宿に泊まりたくなっても、食事の時間がネックになってしまうこともあるかと思います。


一方で「素泊まり」の場合だと、チェックインの時間が少し遅くても受け入れてもらえるので、平日に温泉宿へ行くことも叶いやすくなります。また、食事が付かない分、宿泊料金が低価格なので、低予算で旅が実現しやすいこともメリットの一つです。持ち込みが可能な湯宿ならば、チェックイン前にあらかじめ食事を用意しておくことで、宿泊費を抑えることができます。湯宿の近くにご当地スーパーがあると、その土地ならではの食文化を惣菜などから知る楽しみもあり、新しい味覚の発見があるとうれしくなりますね。

宿の料理が多すぎる件について

そして「素泊まり」の最大の魅力は、温泉地にあるご当地居酒屋で、地域ならではの郷土料理をカジュアルにいただくことができるという点です。多くの温泉宿で提供される食事は、湯宿スタッフのおもてなし精神によってボリュームたっぷりなことが多いので、「残したらもったいない」「失礼に当たるから」と、罪悪感からつい食べすぎてしまう傾向に。食事が少な目というプランがある湯宿もありますが、やはりどこも基本的にはボリュームたっぷりの和洋折衷スタイルです。

食が細い方の場合だと、もしかしたら素泊まりにして、地元の食事処や居酒屋、町中華やお寿司屋さんなどで食べたいものを食べられる分だけいただくほうが、胃も心も満たされるかもしれません。

・湯旅の予算をリーズナブルに抑えたい

・チェックインの時間が遅くなってしまう

・地元ならではの店で郷土料理をカジュアルに食べたい

このような方であれば、「素泊まり」を選ぶ旅をオススメします。


宿時間を最大限に楽しむ「一泊二食付き」他方「一泊二食付き」プランの魅力は、やはり非日常感溢れるボリュームたっぷりな旬の食材や地域に伝わる郷土料理など、宿オリジナルの料理プランを存分に楽しむことができるという点でしょう。

また、一度湯宿に入ったら、外出したくない方もたくさんいるかと思います。そのような方にとっては、一泊二食付きを選ぶほうがストレスもなく、宿での楽しい湯旅時間を堪能することができるでしょう。 春の山菜や秋のきのこなどの旬の味覚、海が近い場所の海鮮料理など、地域ならではの食材をひとりでおいしく味わう……。

このような体験ができると、旅の思い出がさらにいいものとして記憶に深く刻まれます。そして、その味を求めてリピートしたくなるものです。

・旅館の料理が好きで、郷土料理や旬の味覚を宿で味わいたい

・一度宿に入ると、外出するのが面倒に思ってしまう

こだわるポイントがこの二つに該当するのなら、「一泊二食付き」プランを選ぶと、ひとり温泉旅の満足度がアップすると思います。

この記事は、2024年12月13日に発売された自著 おとな「ひとり温泉旅」のススメ(外部リンク 三笠書房)から抜粋、転載しています。

湯のよさをしみじみ実感する素朴な温泉からハイクラスな湯宿の温泉まで、温泉を幅広くご紹介しています。よかったらフォローをぜひお願いします。また下のアクションボタンを押してもらえると、かなり励みになり嬉しいです。

温泉専門家/温泉ジャーナリスト

現役アナウンサーで温泉専門家|温泉ライター|温泉の持つ湯力や美肌力等に魅せられ、国内外3500湯以上1500泊以上ほぼ自費で宿泊するほど大の温泉好き。現地に何度も足を運び、温泉全般、旅館、ご当地グルメなどにおいて温泉施設、旅館経営者や女将さんへ綿密な取材のうえ各メディアに発信。人気情報番組から報道番組コメンテーター、雑誌連載において利用者目線のわかりやすい解説は、各業界からの信頼も厚い。温泉に関する資格多数取得。precious.jpにて連載中。著書『からだがよろこぶ!ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)

植竹深雪の最近の記事