NY金30日:良好な米指標を受けて早期利上げ警戒が強まり、大幅続落
COMEX金6月限 前日比比27.60ドル安
始値 1,204.50ドル
高値 1,207.40ドル
安値 1,176.00ドル
終値 1,182.40ドル
良好な米指標を手掛かりに早期利上げ観測が蒸し返される中、大幅続落となった。
前日引け後に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、冬季の経済成長減速が示されたと総括するも、その一方で「一過性の要因を一部反映」と指摘したことで、マーケットの評価は割れた。米経済の減速が金融当局によっても確認された格好になるが、「一過性」であれば金融政策環境に大きな変化は生じないことになり、FOMC声明に対してはやや戻り売り優勢の反応が見られた。
もっとも、1,205ドル水準まで5ドル程度の下げ幅に留まっており、FOMCを受けての積極的な売買は見送られている。本当に米経済の減速が「一過性」か否かを見極めたいとする向きが多く、経済指標でその裏付けが取れるのかを確認したいとのムードが支配的だったためだ。この結果、アジア・欧州タイムは1,200~1,205ドル水準をコアに揉み合う展開になり、明確な方向性を打ち出せていない。
こうした中、本日は新規失業保険申請件数、3月個人所得・支出、4月シカゴ購買部協会指数などが発表されているが、総じて米経済の底固さを示す内容になったことが金市場ではネガティブ材料視されている。サプライズとなる程に良好な数値ではなかったが、金市場を改めて売り込めるか否かを経済指標から確認したいとする向きが多いだけに、従来よりも一つ一つの経済指標に対する反応は大きくなる傾向にある。裏返せば、ネガティブな指標が発表されると急伸する可能性もあるということだが、今後も経済指標の内容に一喜一憂しながら、緩やかなペースでダウントレンドを確認する展開が続く見通し。
本日は米株式相場が急落し、為替はドル安方向に振れているが、金相場に対する影響は限定された。