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モスクワから35キロの町で爆弾を搭載したウクライナ製ドローン「UJ-22 Airborne」破壊

佐藤仁学術研究員・著述家
(ツイッターより)

2023年4月にロシアの首都モスクワから約35キロメートル離れたノギンスクの町で、爆弾を搭載したウクライナ製のドローン「UJ-22 Airborne」が破壊されていた。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍の攻撃ドローンがロシア国内で破壊されたり、ロシア国内のロシア軍の軍事施設を攻撃していることはたまに報じられている。だがウクライナ軍はロシア国内においてドローンで攻撃したことを公式に伝えることはない。今回もロシア国内でウクライナ製の攻撃ドローンが発見されたが、ウクライナ軍は攻撃したことを公式に発表はしていない。だが、爆弾を搭載したウクライナ製のドローン「UJ-22 Airborne」が撃破されたことからウクライナ軍がロシア領内で攻撃をしようとして破壊されたのだろうという見方を示す欧米のシンクタンク研究員やOSINT(オシント:オープン・ソース・インテリジェンス)をしている人たちは多い。

今回の「UJ-22 Airborne」には約17キログラムの爆弾が搭載されていたと報じられているので、攻撃に成功し爆発していたらロシアに対して相当なダメージを与えていただろう。そして「UJ-22 Airborne」がロシア領内で破壊されて発見されたのは今回が初めてではない。1か月前の2023年3月にも破壊された同機の破片がロシア領内で発見されたことがある。その時はロシアの民間施設を攻撃しようとしたところを迎撃されて破壊されたのではないかと報じられていた。

ウクライナ軍ではウクライナ国内において攻撃ドローンでロシア軍を攻撃している。神風ドローンも用いてロシア軍の軍事施設を破壊している。ウクライナ軍がウクライナで使用している攻撃ドローンや神風ドローンはウクライナ製のものも多いが、今回発見された「UJ-22 Airborne」のような中規模・大型のドローンを使用することはあまりない。中国製やウクライナ製の市販の小型民生品ドローンに爆弾を搭載した手作りの神風ドローンや、欧米諸国から供与された攻撃ドローンでウクライナに侵攻してきたロシア軍やロシア兵を攻撃している。

▼モスクワから約35キロの町で爆弾を搭載したウクライナ製のドローン「UJ-22 Airborne」が破壊された

▼2023年3月にも同機がロシア国内で破壊されたのが発見されたことを伝えるニュース

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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