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【ChatGPT】読書感想文が1分で書けてしまう時代に突入。実際に書いてみた結果を公開!

YORI先生元教師/子育て・教育系ライター

情報通信技術が急速に発達する中で、また一つの大きな問題が話題となっています。

それが「ChatGPT」です。

今話題のChatGPTとは?

ChatGPT(チャットジーピーティー)は、質問や指示によってテキストを自動生成することができる人工知能ツールです。

このツールを使うといろんな問題が解決できる一方で、大学のレポートや読書感想文などもカンタンに作成できてしまうということで、大問題になっています。

大学も慌てて声明を発表

そんな中、各大学では早々にChatGPTの扱いに関する声明を発表。

例えば上智大学では、以下のような対応方針が発表されました(2023年3月27日)。

リアクションペーパー、レポート、小論文、学位論文等の課題への取り組みにおいて、ChatGPT 等の AI チャットボットが生成した文章、プログラムソースコード、計算結果等は本人が作成したものではないので、使用を認めない。検出ツール等で使用が確認された場合は、本学の不正行為に関する処分規程に則り、厳格な対応を行う。ただし、試験における「持ち込み可」と同様に、教員の許可があればその指示の範囲内で使うことは可とする。
引用:ChatGPT 等の AI チャットボット(生成 AI)への対応について|上智大学

対応についてはまだ決めかねている教育機関もあるものの、今後どういった扱いにすれば良いのか、頭を抱えている教育者は多いでしょう。

小学5年生がChatGPTで作成した読書感想文が話題に

ChatGPTが注目を集める中、小学5年生がChatGPTで作成した読書感想文が話題になりました。

小学五年生がファンタジー小説「ハリー・ポッター」をテーマに書いた感想文を提出。
教員はその内容に"違和感"を覚えた。
よくよく話を聞いてみると「ChatGPT」を使って書いたということだった。

ChatGPTといったツールを使いこなすという点を評価する声がある一方で、本を読まなくても読書感想文が作れてしまうこと自体が問題視されています。

  • ChatGPTで作成したものなのかそうでないのかを教員が判断するのが難しい
  • そもそも宿題などでChatGPTを活用するのはどうなのか
  • 国語の作文指導が成り立たなくなる

など、さまざまな問題が懸念されています。

文部科学省の見解は……

2023年4月上旬、こうした状況を受け、文部科学省が教育現場での取り扱いを示すガイドライン(指針)の検討を始めたことが明らかとなりました。

今後どういった扱いになるのか、注目の的となりそうです。

実際にChatGPTで読書感想文を書いてみた

ChatGPTの日本語訳画面
ChatGPTの日本語訳画面

連日話題となる「ChatGPT」。

実際にどんな文章ができあがるのか気になる方も多いはず。

そこで、実際にChatGPTで読書感想文を作成してみました。

今回は、小学二年生の国語で扱う教材『スイミー』の読書感想文を作成してみました。

ChatGPTへの指示文

ChatGPTへ、以下のような指示文を入力しました。

小学校二年生になりきり、『スイミー』を読んだ感想を350~400字でまとめてください。
その際に、以下の4つの視点を必ず入れてください。
・その本を選んだ理由
・物語のあらすじ
・本を読んだ感想
・本を読んで学んだことを今後にどう生かしていくか

ChatGPTの出力画面

実際に、ChatGPTの出力画面に出た文章は以下の通りです。

小学校2年生になりきり、読んだ絵本『スイミー』についての感想をまとめます。
まず、私がこの本を選んだ理由は、絵がきれいだったからです。本の表紙に描かれた小魚たちが、とてもかわいらしくて、興味を引かれました。
物語のあらすじは、大群れを作る小魚の中に、ひとりだけ違う色をしたスイミーがいました。ある日、大きな魚が群れを襲い、みんなが逃げ惑ってしまいます。しかし、スイミーは逃げることができませんでした。そこで、スイミーは自分が見つけた小石を使って、新しい群れを作ります。スイミーは、小石を体の下にくっつけて、群れのリーダーのように泳ぎました。そして、小魚たちに自分と同じように小石を使って泳ぐ方法を教え、新しい群れをつくりました。
私がこの本を読んだ感想は、勇気やチームワークの大切さを学ぶことができたということです。スイミーは、自分の違いを乗り越え、自分なりの方法で困難に立ち向かいました。そして、小石を使って新しい群れを作り、みんなを救いました。この物語を読んで、自分も小さいけれど、できることを見つけてチームワークを大切にすることが大切だと思いました。
また、本を読んで学んだことを今後にどう生かしていくかという点については、自分が何か困難に立ち向かうときには、スイミーのように、自分の得意なことや見つけた方法を使って、周りの人たちを助けることができると思います。そして、人と協力して困難を乗り越えることができるということも、この本から学ぶことができました。

実際は問題だらけ

実際の入力・出力画面
実際の入力・出力画面

実際に出てきた文章には、数々の問題点があります。

  • 小学二年生で習っていない漢字を多様している
  • 小学二年生にしては文章がしっかりしすぎている
  • 350~400字と指示したのに600字以上になっている
  • 「小学校2年生になりきり」と余計な文章が目立つ(消せば良いかも知れないが……)
  • そもそもあらすじが違う(「小石を使って」といった話は存在しない)

ChatGPTに関しては、独自に収集した情報や学習した内容から文章を作成するため、割と情報が不正確なことが多いです。

そのため、ChatGPTでの回答を大学のレポートや学校の宿題でそのまま使うことは控えるべきでしょう。

ただし、ある程度内容を理解している上で、自分で修正を加えられるのであれば正直使えるツールであることも確か。

また、指示文をより明確化することで、宿題で提出できるレベルの文章は出力できてしまいます(今回はあえてこの辺の話は伏せておきます)。

使い方によってはかなり有効な手段になり得るため、今後活用する人が増えていくことが予想されます。

ChatGPTが教育業界で大問題になりそうな予感

夏休みの宿題として多くの子どもが面倒だというのが「読書感想文」です。

数年前には、フリマサイトで「読書感想文の代行」が出品されていることが問題となりましたね。

こうした例も過去にあるため、正直この夏はChatGPTを使って読書感想文を書くという人がかなり出てきそうです。

おそらく夏前には文部科学省から何らかの対策が発表されると思いますが、

  • 学校でChatGPTをどう扱うか
  • 家庭でChatGPTをどう扱うか

考えておかなければならないかもしれません。

子どもが「使いたい!」と言ってきたときには、使い方を限定したりChatGPTのデメリットを説明したりすることが求められるでしょう。

元教師/子育て・教育系ライター

出産前までは中学校や高校で教員として働いていました。また、学生時代には家庭教師や塾講師などでも経験しました。これまでの教員生活や教育活動、自身の子育て経験を活かして、学校生活や学習、育児での悩みが解決できるような情報を発信していきます。

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