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【宮城県 松島町】5月上旬が見頃!純白の珍しい藤の花を見に行こう [※2023年5月9日情報]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・宮城郡・塩竈市)

4月下旬頃から山々には新緑の優しい緑色と、その合間から紫色の葡萄のような花がちらほらと顔を出しはじめる。その花とは「藤(フジ)」。現在では、かなりの数の種類が存在し、いくつかの地域では「藤まつり」として、大々的に花のイベントとして毎年盛り上がりを見せている。
さて、この藤だが紫色の種類はとても多く見かけるが、「白色」の藤は一般的に見かける機会が比較的少ないと感じる。その珍しい部類に入る'白い藤'が、実は宮城県松島町の「瑞巌寺(ずいがんじ)」近くに存在するのだ。筆者はその周辺をこれまで何度も通っていたのだが、あまり気にせずに通過していた為か、その存在に全く気づいていなかった(皆さんは既にご存知だったか気になるところだ)早速、ご紹介していこう!

白い藤の花が咲いている場所は、宮城県松島町内「JR松島海岸駅」から徒歩約7、8分の「洗心庵(せんしんあん)」向かいの敷地だ。お店の 'のぼり'が立てられているちょうど裏側に、藤棚がしっかりと組まれていて、そこに沿って気持ちよく白い藤がつるを伸ばして生育中なのだ。
そして、チラッと白い藤の奥に見える茅葺き屋根の民家だが、実は松島町の文化財にも指定されている歴史ある建物なのだ。この機会に、少しだけその建物についても触れておこう。

茅葺き屋根の民家の持ち主は、とある船乗りの方。歴史的な背景を少し説明すると(※詳細は上記写真を参照)、1605年頃に松島湾を遊覧する為の船の操縦士たちが、現在の東海地方などから松島町へ移住して来たそうだ。当時、彼らの集落は瑞巌寺の東側に存在し、その地域を水主町(かこまち)、また住民は水主衆(かこしゅう)と呼ばれていたそうだ。当時の民家の総計48軒の内の1軒が、現在の白い藤が咲いている場所に保存されているという訳だ。

さて、白い藤の花だが筆者が撮影した時点(※2023年5月9日)で写真の通り満開の状態。幾分か、先終わった花びらが下に落ちている状況だ。5月中旬に入る頃には、ひょっとすると見頃終了となるかもしれない。天候などによって前後はすると思うが、是非5月上旬の内に美しい白色を皆さんにも眺めてもらいたい。おすすめの場所だ。

1つ注意することとしては、藤棚が設置されている敷地内には入ることが出来ないため、洗心庵側からの見学となる。そのため、藤棚の下へと入って、上を見上げて楽しむと言うことは出来ないが、水主町の民家(茅葺き屋根の建物)と共に全体を含めて眺めるのも、なかなか風情があって素敵なもの。茅葺き屋根の茶色に、藤の白色が映えて花の美しさが増して見えるのも、ここの藤しか出来ない技(わざ)だ。

洗心庵のソフトクリームを片手に藤の花を眺めながら、の〜んびりと過ごして、5月という爽やかな季節を堪能しよう。1年間の各季節でしか体験できない時間を大切にすると、毎日が物語のように面白くなるぞ。さあ、みんなで出かけてみよう!

名称:白色の藤の花
住所:宮城県宮城郡松島町松島町内67 (※藤の花は洗心庵の向かい側のため、住所は洗心庵のものを表記しています)

フリーランスライター(東松島市・宮城郡・塩竈市)

Molly Chiba|日本出身|2022年2月からフリーランスのライターとして独立。日本と英国を拠点に活動中。日本国内の地域ニュースやコラムのほかに、日・英のサッカーに関するコラムを『Football Tribe Japan』に執筆中。2024年8月の「地域クリエイターMVA(Most Valuable Article)」を受賞。珈琲と自然と動物が好きです。

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