二度と利用されないように置き去りにされた設備も徹底的に上空から破壊

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍もウクライナにいるロシア兵に対して小型民生品ドローンを用いて上空から徹底的に攻撃を行っている。ウクライナ軍ではここ数か月間ほど、小型の民生品ドローンやウクライナ軍が開発した攻撃ドローン「R18」などから爆弾を投下して地上のロシア軍の戦車などを攻撃して破壊している。ドローンで撮影した動画もよく公開している。

ウクライナ軍のドローンは民生品ドローンも軍事ドローンも多くの国の政府の軍事支援で提供されたり、ウクライナ市民や世界中の市民からの寄付で購入したり、世界中の市民団体や企業などから寄付されたりている。

ノルウェーのNGO団体でウクライナに軍事支援を行っているのがVeteran Aid Ukraineである。Veteran Aid Ukraineでは既に多くのドローンや軍事物資をウクライナ軍に寄付している。同団体では市民からの寄付を呼びかけたり、Tシャツやパーカー、コースターなどを販売されたりして集めた資金でドローンを購入してウクライナ軍に送っている。

そしてVeteran Aid Ukraineでは彼らが提供したドローンでの攻撃シーンをよくSNSで公開している。2023年1月にはロシア軍の置き去りにした戦車、歩兵戦闘車、輸送トラックにドローンから爆弾を投下して壊滅させた動画が公開されていた。戦車や歩兵戦闘車、トラックの周辺にはもうロシア兵は誰もいないで、それらだけが置き去りにされていた。トラックにはロシア軍のシンボルの「Z」のマークがついており、上空からもロシア軍のものと一目でわかる。

ロシア兵ももういなくなり、置き去りにされた戦車、歩兵戦闘車、トラックにわざわざドローンで爆弾投下をする必要があるのかと思われるかもしれない。だが徹底的に破壊しておけば、ロシア兵が戻ってきても再び戦車やトラックなどを使用することはできない。またロシア兵が戻ってきて戦車らの部品などを再利用させないためにも、置き去りにされた戦車やトラックでも破壊しておくことは重要である。歩兵戦闘車やトラックであれば爆弾1個でも十分に破壊できるので、小型の民生品ドローンからの投下でも威力はある。戦車もエンジン部分や操縦席など、二度と利用できないような部分を狙って破壊している。

▼歩兵戦闘車（Infantry Fighting Vehicle：IFV）を小型ドローンからの爆弾投下で破壊。

▼戦車を小型ドローンからの爆弾投下で破壊。

▼「Z」のマークをつけた輸送トラックを小型ドローンからの爆弾投下で破壊。