安倍総理の中央アジア五か国訪問
中央アジア諸国が、1991年のソ連邦の崩壊後に独立を達成して以来およそ四半世紀になる。この節目の時期の日本の指導者の中央アジア諸国訪問は意義深い。思い起こせば、五か国の独立達成直後に日本は国家承認を与え、積極的に国作りを支援してきた。国益という言葉では説明しきれないほどのODAをつぎ込んできた。国づくりに取り組む中央アジアの人々を、明治期の近代国家の建設にまい進した自らの姿に重ね合わせつつ、日本人は深い同情と共感を覚えて支援してきた。橋本総理大臣の時代にはユーラシア外交との標語も使われた。だが、もちろん国益もからんでいる。台頭する中国との対峙を国家的な課題としている日本にとっては、中国の周辺諸国との連携は、条件反射的とも言えるほど自然な対応であろう。
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