静岡県 「かんじ雲」が教える、翌朝の寒さ
こちらは静岡市駿河区で、今年10月24日静岡市から南西方向を撮った写真です。きれいな青空が広がった日でした。ただ海の方を見ると、低いところにもこもこした雲がたくさんあり、それが並んでいました。
この雲は、御前崎など遠州の一部で「かんじ雲」といわれ、「かんじ雲がでていると翌朝は冷えて風が強くなる」ともいわれています。実際にこの雲が出た翌日は、県内は今シーズン一番の冷え込みのところが多くなりました。
かんじ雲の正体
「かんじ雲」はどのようなときに現れるのか、写真を撮った10月24日の天気図と気象衛星の画像です。
この日は今年初めて本格的な冬型の気圧配置になった日でした。日本海側の地域を中心に雲がかかり、その一部が太平洋側の地域にも吹き出していました。静岡県の南海上にも線上に雲が吹き出しているのがわかりますが、これが「かんじ雲」の正体です。
冬型の気圧配置で寒気が流れこみやすい状況になったために「かんじ雲」ができ、また翌朝の気温が下がりました。これからの季節、南西の海の上にもこもことした低い雲を見つけたら、翌朝は体を冷やさないよう、一層暖かくしてお休みください。
今シーズンは「かんじ雲」を見る機会が多い?
12月に入っても、静岡県内は暖かい日が多くなっています。ただ12月後半からは一気に寒くなりそうです。
最新の1か月予報と3か月予報です。
来週までは暖かい一方、その後はほぼ平年並みでしょう。今シーズンが冬らしい冬になるのは、ラニーニャ現象が関わっています。
ラニーニャの時は南米、ペルー沖の海面水温がいつもの年よりも冷たく、西の広い範囲に及びます。そうすると、暖かい海域が西にずれます。暖かい海域では雲が湧きやすいため、ラニーニャの時にはいつもの年より雲が湧きやすい場所が西にずれます。
インドネシア近海で雲が湧きやすくなると、大陸の高気圧が強まりやすくなります。高気圧が強いということは、冬型が強まりやすいということ、日本に寒気が入りやすくなります。
今年は冬型の気圧配置が強まりやすいため、「かんじ雲」を見る機会も多いかもしれません。