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選挙は国民・有権者にとり、政治や政策について学ぶ機会 #専門家のまとめ

鈴木崇弘政策研究者、PHP総研特任フェロー
(提供:イメージマート)

自民党の総裁選や立憲民主党の代表選がまもなく行われる。それらは、各党内部で行われる選挙だ。他方、その結果は、現下においては、日本の次の総理を選ぶことにもつながる全国民にとり重要な選択である。またそれらの選挙を通じて、様々な政策や課題が、各種メディアやSNSでも話題として取り上げられ、現在および今後の日本における政策課題が何であるかがわかる。国民・有権者にとり、普段は多忙であり、政治や政策はあまり関心がないが、このような選挙の際には関心も高まる。国民・有権者は、このような選挙(たとえ、党内向けのものでも)の機会をとらえて、政治や政策について学び、考える機会にしていくべきだ。

ココがポイント

自民党総裁選は(中略)1972年以降で最多の9人が立候補する混戦となる。(中略)経済・財政や外交防衛、社会保障、規制改革などの政策課題を巡り、(中略)論戦の火ぶたが切られた。
出典:ブルームバーグ 2024/9/13(金)

立憲民主党の代表選挙は、13日午後6時過ぎ、4人の候補者が徳島市で討論会を開き、防衛増税など、政府の防衛予算や政策の問題を指摘しました。
出典:FNNプライムオンライン 2024/9/14(土)

9月12日に告示された自民党総裁選挙には(中略)衆議院議員9名が立候補(中略)今回は党派閥の政治資金問題を受けた政治改革、物価高対策等の経済政策などが争点と考えられます。
出典:選挙ドットコム 2024/9/14(土)

立憲民主党代表選の国会議員の支持動向調査では、野田佳彦・元首相(67)と枝野幸男・前代表(60)を軸に支持が集まっている現状(中略)決選投票をにらんだ支持獲得の動きも本格化する見通しだ
出典:読売新聞 2024/9/14(土)

エキスパートの補足・見解

自民党総裁選や野党第一党の立憲民主党の代表選は、各党の党内の選挙であり、多くの国民・有権者には直接的に関係はない。だが、これらの選挙は、現在の政治状況において、国民の生活にも重大な影響を与える次の政治のトップリーダーである総理の選択の機会である。また普段の選挙以上に、ある程度顔や名前が知れた候補者が、各党のトップを目指して、政策論戦を交わす機会だ。つまり国民・有権者が、日本の政治リーダーおよびその候補と現在および今後の政策課題や日本の方向性を知り・学び、議論できる機会でもあるのだ。民主主義社会では、政治家や政治のリーダーだけでなく、いやむしろそれ以上に国民・有権者が政治や政策課題に関心を持ち、考えていることが重要だ。その意味からも、今の機会は、国民・有権者にとり貴重な政治教育の機会であり、日本の政治の根幹にとっても重要な機会・時間であることを理解しておくべきだろう。

政策研究者、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。経済安全保障経営センター研究主幹等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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