自民総裁選、最多9候補の論戦に火ぶた-横顔と主要政策・発言
(ブルームバーグ): 12日告示された自民党総裁選は、推薦人が必要となった1972年以降で最多の9人が立候補する混戦となる。27日の投開票に向け、経済・財政や外交防衛、社会保障、規制改革などの政策課題を巡り、約2週間に及ぶ論戦の火ぶたが切られた。
高市早苗経済安全保障担当相と前任の小林鷹之氏、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長、茂木敏充幹事長が立候補した。女性議員は2021年の前回と同数の2人、40代の若手も2人いる。9候補は13日午後、共同記者会見に臨む。
衆参両院議長らを除く党所属の国会議員は告示日時点で367人。党員・党友票も同じ367票に換算して計734票を争うことになる。過半数を得た候補がいなければ、国会議員の367票と地方票47票で上位2人による決選投票を行う。各候補は出馬には国会議員20人の推薦人を確保した。
NHKが6日から3日間行った調査では、次の自民党総裁にふさわしい候補者として石破氏を挙げた人が28%と最も多く、小泉氏が23%で2位だった。高市氏が9%、河野氏が6%で続き、上川、小林両氏が4%。林、茂木両氏は2%、加藤氏は1%だった。
立候補した9人の横顔と主要政策、発言についてまとめた。
石破茂元幹事長
5回目の挑戦となる。野党時代に行われた12年は1回目の投票で党員票の半数以上を確保して首位につけたが、国会議員のみによる決選投票で安倍晋三元首相に逆転された。約7年8カ月続いた安倍政権で当初は幹事長、地方創生担当相として首相を支えた。後半は批判的な立場に転じた。
防衛相や農相も歴任。安全保障政策の論客として知られ、12日の演説会では「国連が機能しない時代にアジアに集団安全保障の仕組みを作るのは喫緊の課題」と述べ、持論である北大西洋条約機構(NATO)のアジア版創設を訴えた。67歳。
鳥取県八頭町で行った出馬会見で、今回の総裁選を「最後の戦い」として党員らに支持を求めた。政治資金の透明性確保に向け、最大限努力すると述べた。社会保障全般の見直しや賃金上昇に取り組むほか、選択的夫婦別姓の導入に前向きな姿勢を示した。防災省の創設を唱えている。