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チャンピオンが禁止薬物で王座剥奪。WBAスーパーライト級王座は急遽決定戦に

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Amanda Westcott/SHOWTIME 1階級上げたロメロ

 2022年5月、ジャーボンテイ・"タンク"・デービスとの全勝対決に敗れたローランド・ロメロ。6ラウンドでキャンバスに沈んだが、1階級アップしてWBA140パウンドのタイトルを目指すこととなった。今週末、ラスベガスのリングに上がる。

 迎え撃つ筈だったチャンピオンは、アルベルト・プエジョ。昨年8月にWBAスーパーライト級空位決定戦を制し、ドミニカの星となった。が、プエジョは、このほどVADAによるドーピングテストで不合格となり、王座を失った。

Esther Lin/SHOWTIME 昨夏、アルベルト・プエジョはバティル・アフメドフ(31)を2-1の判定で下して王座に就いた
Esther Lin/SHOWTIME 昨夏、アルベルト・プエジョはバティル・アフメドフ(31)を2-1の判定で下して王座に就いた

 空位となったWBAスーパーライト級タイトルを、ローランド・ロメロとイズマエル・バローゾが争う。試合まで1カ月を切ったなかでの対戦相手変更だが、14勝(12KO)1敗のロメロは自信たっぷりに語る。

 「誰と戦おうが関係ない。俺はスターであり、何があろうと輝いてみせる。地元であるラスベガスで、そしてSHOWTIMEで見ている人たちのために、戦いを見せることが待ちきれない。必ずベルトを手にリングを降りるよ」

Amanda Westcott/SHOWTIME いつも強気のロメロ
Amanda Westcott/SHOWTIME いつも強気のロメロ

 一方のバローゾ(24勝(22KO)3敗2分)は、WBA暫定ライト級王座に就いた経験を持つベテランだ。ベネズエラのティグレで生まれ、現在はフロリダ州マイアミに住むバローゾは、2018年に連敗を喫したが、目下4連勝中でそのうち3試合はKO勝ちを収めている。

 バローゾも言う。

 「このチャンスを無駄にはしない。勝利のために全力を尽くす、自分は非常にハングリーだ。このような機会を与えてくれ、ずっと私の味方でいてくれたチームに、感謝している。タイトルを勝ち取ってみせる」

 ドタバタ劇は一応、落ち着いた感がある。さて、どんなファイトとなるか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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