猛暑だけではない 記録ずくめだった2023年の宮城県の天気
2023年も間もなく終わろうとしています。今年一年は皆さんにとってどんな年だったでしょうか?宮城県の天気を振り返ると、夏の猛暑が強烈に記憶に残ってはいるのですが、単に暑いだけではなく様々な記録が生まれた一年となっていました。
極寒だった1月
今シーズンはエルニーニョ現象などの影響で暖冬となっていますが、昨冬はエルニーニョの反対のラニーニャ現象が起こっていて、日本付近にはたびたび強い寒気が流れ込んできました。
特に1月25日はまさに“最強寒波”がやってきて寒さの記録が続出しました。東北地方の全観測地点で一日気温が氷点下の真冬日になり、宮城県においては名取・蔵王・女川・志津川・気仙沼・塩釜で過去最も低い最高気温の記録になりました。
急にやってきた春本番
その寒さの記録が生まれたわずか2か月後にはもう桜が咲きました。桜の花は、冬の間はしっかりとした寒さにさらされることで休眠打破が起こり、その後は気温が高くなると花芽が生長します。今年はその条件が見事に揃ったことで、仙台管区気象台の桜は3月26日に開花。過去最も早い開花となり、3月31日にはもう満開になりました。
寒冬が終わったと思ったら、その後は急激に季節が先へと進んでいった形です。
記録だらけの大猛暑
そしてその後も気温の高い傾向は続き、夏は全国的な大猛暑に見舞われました。宮城県も例外ではなく、仙台では真夏日の日数が66日になり史上1位の日数に。ちなみに2位は48日、3位は46日ですのでいかにぶっちぎりの記録かが分かるかと思います。
そして今年の宮城県は、昼間の暑さもさることながら、夜間の暑さも際立っていました。仙台では、最低気温が25度以上の日数は平年だとわずか2.7日。これまでの最多記録は2019年の11日だったのですが、今年は36日。あり得ない記録の塗り替え方をしました。
この猛暑には黒潮が大きく関係していたと考えられます。今年は黒潮続流が異常に北へと蛇行して三陸沖にまで流れ込んできました。宮城県のすぐ沖合にまで暖流がやってきたことで日が沈んだ後も気温が下がりにくくなっていたものと思われます。
ちなみに宮城県沿岸部にある女川では、今年一年の間に「史上最も高い最高気温(36.9度)」と「史上最も高い最低気温(27.5度)」と「史上最も低い最高気温(-4.5度)」の記録を塗り替えています。一年の間にこれだけの記録を塗り替えるなんてそうそうあることではありません。(ちなみに最低気温27.5度は宮城県全体で見ても歴代1位の記録です)
2024年は…?
では来る2024年はどんな天候になりそうか…はまだ分かりません。昨冬に寒冬をもたらしたラニーニャはもう終わっていて、また現在起こっているエルニーニョ現象も春には徐々に落ち着いていく可能性があります。
ただ夏の猛暑の要因だった黒潮続流は未だに三陸沖にまで蛇行してきていて、終わりが見えていません。これが来夏にも続けばまた暑さに影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
また今年は台風の発生数が17個と過去3番目に少なく、宮城県内では大雨による災害というのはありませんでしたが、来年も台風が少ないという保証はありません。2024年も小まめに天気予報を確認するなどして、天気とうまくお付き合いください。