冬将軍 間もなく到来 日本海側は雪への備えを
今年の秋(9月~11月)の気温は東~西日本で過去最も高くなりました。特に9月~10月は記録的「暑さ」だったのでまだ覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
ただここ半月ほどは冬型の気圧配置になる日が多くなっていて東北地方の山では雪が積もるようになってきています。この先は季節の歩みがさらに加速する見込みで、日本海側の地域では雪への備えが必要です。
大陸では寒気蓄積中
そもそもなぜ日本の冬が寒くなるかと言うと、大陸のシベリア付近で蓄積された寒気が定期的に放出されるようになるためです。
過去10日間の平均気温は北日本では平年より高くなっていますが、これは寒気の「蓄積期」だったためで、間もなく「放出期」に入っていく見込みです。
あす6日(金)は低気圧が東北付近を通過、この低気圧が通過した後の7日(土)からは強い冬型の気圧配置になり、上空には強い寒気が流れ込んでくる予想です。
東北日本海側では平野部でも雪が降るようになる見込みで、宮城県においても山では本格的に雪が降り積もるようになっていきそうです。週末に車を運転する予定のある方はご注意ください。
ラニーニャ現象と北極振動で寒さと雪が長続き
冬型の気圧配置になるのは今週末だけの話ではありません。きょう5日(木)、気象庁は向こう1か月の天候の見通しを発表しました。それによると気温は全国的に「低い」、日本海側の雪は「多い」予想となっています。
今、南の海ではラニーニャ現象が起こっていて、至極単純に言えばラニーニャ現象は「季節の変動を大きくする」方向に働きます。日本においては夏はより暑く、冬はより寒くなると一般的に言われており、その影響が出てくる見込みです。
また冬の日本の天候には北極振動と言って、北極付近の気温が高いと日本付近は寒く、北極が寒いと日本付近は暖かくなるという現象も関係してきます。
向こう1カ月は、この北極振動が「北極は気温が高く、日本など中緯度に寒気が流れ込みやすい」という予想になっていて、南の要因を見ても北の要因を見ても日本付近には強い寒気が流れ込みやすい見込みです。
日本海側はシーズン初めの大雪に注意
また今、日本海では海面水温が高くなっています。
冬に湧く筋状の雪雲は海水温と上空の温度差によって発生・発達するものなので、こうして水温が高いところに強い寒気が流れ込んでくると雪の量が多くなることが考えられます。日本海側ではシーズン初めからいきなり大雪になる可能性もありますので、寒さや雪への備えはしておいてください。