他人の敷地に侵入?線路に出る?運転中にできる?ポケモンGOの危険性にまつわる3つの誤解
社会現象になるほど爆発的な人気となったスマホゲーム『ポケモンGO』。一方で、メディアではポケモンGOにまつわるさまざまな危険性が訴えられています。
しかし、そのなかには誤解に基いて――というよりも注目を集めるためにわざと煽るような書き方をしてる記事も少なくありません。
この記事では、いちプレイヤーとしてポケモンGOへの誤解について解説します。
ポケモンがいるせいで他人の敷地に侵入する?
ポケモンGOでよくある報道としては「他人の敷地に侵入する」というものがあります。たしかに、ポケモンを探していて気づかずに敷地に侵入してしまうことはあると思います。
そこを否定するつもりはありません。
しかし、「ポケモンがいるから家や敷地に入らせて欲しいとお願いしてきた」というのはおかしいのです。
ポケモンGOでは、ポケモンが出現したら(画面に表示されたら)あとは画面内のポケモンをタップするだけでポケモンの捕獲画面になります。つまり、わざわざポケモンがいるところに行く必要はありません。
写真で説明するポケモンの出現と捕獲の事例
仮に道路を挟んだ真向かいにポケモンがいたとしても、画面のポケモンをタップするだけで捕獲できます。
ポケモンGOを理由に「敷地に入らせて欲しい」という人は、別の理由があるか、不正ツールを利用している可能性が高いです。通常のプレイの範囲内であれば、他人の敷地内にポケモンがいるかは分かりません。
ホームの端や線路沿いに出現して危ない?
7月26日付の読売新聞に、駅のホーム端にポケモンが出現してとても危険だという記事が掲載されました。
たしかに駅やホームでも出現しますが、さきほど説明したようにポケモンは表示された時点でどこにいても捕獲できます。
実際にやってみましょう。駅の近くにポケモンが出現したため、ホーム端でタップしました。結果、読売新聞と同じ構図の写真を用意できました。
それでは、今度はホームの内側を向いてタップしてみます。すると、ポケモンはホーム端ではなくホームの内側に出現しました。
つまり、ポケモンはプレイヤーが向いている方向に出ているだけなのです。
ポケモンがホーム端に出現したのではなく、単にこの記者が危険なホーム端でポケモンGOをプレイしていたことにほかなりません。この「駅ホーム端にポケモン」という写真は作られたものなのです。
運転中のポケモンGOは危険?
運転中にポケモンGOをプレイした男性が、女性をはねて死亡させるという痛ましい事故がありました。
「ポケモンGO」初の死亡事故、39歳男逮捕=運転中プレー、女性はねる-徳島県警:時事ドットコム
これについてはおそらく事実だと思います。けれども、そもそも大前提として運転中のスマホ操作は危険です。
そして、ポケモンGOは運転中にプレイできないよう作られています。
この事故が起きる約2週間前のアップデートで、ユーザーが運転中にプレイしていると判断すると「移動速度が速いためプレイを制限しています」というメッセージをアプリが表示するようになったのです。
このメッセージが表示されると、「私は運転者ではありません」をタップしないかぎりプレイできません。
事故を起こした男性はこれをタップしてプレイを続けていたのだと思いますが、かなり異常な行為だと言えます。
なぜなら実際に助手席に乗って試してみたところ、タップしてメッセージを消しても、すぐにまた表示されるためとても運転しながらプレイできるようなものではありませんでした。
そこをムリしてプレイしたためにこのような事故を起こしたのだとは思いますが、ポケモンGOのアプリそのものはプレイできないように作られています。そのことを、知っていて欲しいと思います。
まずは誤解の解消を
以上が、プレイヤーの目線から見た危険性についての誤解です。
とは言え、ポケモンGOにさまざまな危険があることは事実です。そのためポケモンGOの運営会社であるNiantic社は危険性を認識し、それをなくすことに努力しています。
誤った報道をもとに「危険だ、危険だ」と騒ぐのではなく、「実際に何が危険なのか?」、「そのために会社はどういった行動をしているのか?」を知り、そこから改善を考えましょう。