Yahoo!ニュース

IBFスーパーミドル級チャンピオンがデビュー以来21連勝を飾り、防衛に成功

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo: Frank Micelotta/Fox Sports

 現地時間1月30日に行われたIBFスーパーミドル級タイトルマッチは、チャンピオン、カレブ・プラント(28)が、かつて同ベルトを巻いていたカレブ・トゥルアックス(37)を判定で下して3度目の防衛に成功した。

Photo: Frank Micelotta/Fox Sports
Photo: Frank Micelotta/Fox Sports

 20戦全勝12KOでこの日を迎えたチャンピオンは、左で試合をコントロールする。上下へのジャブ。ジャブを放ち、同じモーションからの左フック。右ストレートを打つと見せかけての左アッパーなど、攻撃にバリエーションがある。

 誰もが中盤以降にプラントが挑戦者をKOするであろうと、"その時"を見守っていた。

 しかし、チャンピオンは途中から手数が減り、スローダウンする。序盤に左拳を痛めてしまったことが、試合後に発覚した。

 それでも、最後まで自分の距離を保ち、全てのジャッジが120-108と採点する圧勝であった。王者はこの日、581のパンチを放ち、179をヒットさせた。31勝(19KO)5敗2分けとなったトゥルアックスは、389のパンチを振るい、とらえたのは47発だった。

Photo: Frank Micelotta/Fox Sports
Photo: Frank Micelotta/Fox Sports

 試合後、プラントは言った。

 「今日の結果に満足している。全てのラウンドで、俺が挑戦者を上回っていた。彼は何も出来なかったね。ただ耐えるだけの試合だったんじゃないか。

 第3ラウンドくらいに、左手に痛みを覚えた。腫れ上がったような、そんな感じかな。過去にも似たような経験がある。今後の試合に影響を及ぼさないように、きちんと診察を受けるよ」

Photo: Frank Micelotta/Fox Sports
Photo: Frank Micelotta/Fox Sports

 「チャンピオンっていうのは、どんな状況に置かれても動じず、起こったハプニングに柔軟に適応しなければならない。目的がブレたり、意志が揺らいだり、戦いを捨てたりするなんて以ての外だ。ケガをしながら、チャンピオンらしく最後まで戦えたことが収穫だね。

 でも、やっぱりKOしたかった。ケガをしてしまった後悔と失望が多少ある。スーパーミドル級で最強なのは自分だと信じているし、この階級を統一する初の男になりたいと思っている。誰とでも、どこでも戦うし、目の前の相手を必ずノックアウトしてみせる」

 となると、やはりカレブ・プラントのターゲットは、サウル・"カネロ"・アルバレスとなる。是非とも今年中に実現してもらいたいカードだ。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事