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静岡県 台風14号により雨が長く続く

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
16日正午の台風14号の様子(提供:ウェザーマップ)

静岡県は雨が長く続く

まず台風の進路を見ていきましょう。16日午後6時の段階で大型で非常に強い勢力です。日本の南を時速15キロで北西に進んでいます。

17日には沖縄や奄美に近づき、18日には九州付近に接近しそうです。その後進路を東寄りに変え、19日の午後3時に西日本、20日の午後3時に東日本から北日本付近、21日に千島近海で温帯低気圧に変わりそうです。

台風14号の予想進路(提供:ウェザーマップ)
台風14号の予想進路(提供:ウェザーマップ)

長く雨が続く原因はこのコースにあります。

17日に台風が奄美付近に来ている時点で、静岡県内は台風の周りを回る風が南東から入ってくることになります。湿った空気がこの風に乗り入ってきて、17日から雨雲が発生しやすくなります。台風が西日本に進んでも、台風の周りを回る南風により湿った空気が入り不安定でしょう。さらに日本海に抜けた後も台風に向かう風、南寄りの風が続いて、湿った空気の流れ込みが続きます。連休明けの21日にかけて雨が降りやすいでしょう。4日間も雨が降りやすい状況が続きます。

特に南風がぶつかる山で雨雲が発達しやすく、合計の雨の量が多くなりそうです。

台風の位置と県内への風の入り方(筆者作成)
台風の位置と県内への風の入り方(筆者作成)

もう一つ心配なのが、九州で東寄りに向きを変えるときです。向きを変えるときにスピードを落としそうなんですが、予想以上に動きが遅くなった場合、静岡県内に同じ方向から風が吹き付けるので同じところで雨雲が発生し続けてしまうことが考えられます。ただ向きが変わるところというのは予報が難しいです。

風については、東日本に予報円がかかっている20日の午後3時は暴風警戒域を伴っていません。ただ南寄りのコースをとった場合に静岡県の陸上で暴風警報が出る可能性があります。

警戒はいつまで必要か

警戒はいつまで必要なのか、早期注意情報で警戒が必要な時間を見ていきましょう。

・大雨

17日に降り始めます。降り方によっては17日から警報がでる可能性があります。

予想される雨の量は

17日夕方までの24時間に多いところで80ミリ

18日夕方までの24時間に200~300ミリ

その後の予想はまだ出ていないんですが、火曜日にかけて降ったりやんだりで地盤が緩んでいきそうです。雨が続くことで川の水位も上がるので斜面や川には近づかないようにしてください。

・暴風

風は、静岡県に近いところを通れば19日から20日は陸上で暴風警報の可能性があります。陸上の暴風警報の基準は20メートルです。この風が吹くと何かにつかまっていないと立っていられないくらいです。

・波浪

波はすでにいつもより高くなっていますが、今後さらに高くなり、18日は6メートルを超える大しけとなりそうです。火曜日にかけて海岸にも近づかないようにしてください。

・高潮

今回は大潮を過ぎていて、高潮警報の可能性は発表されていません。

17日からの3連休、特に後半は静岡県内にも大きな影響が出てきます。お出かけを予定されている方もいるかと思いますが、予定の変更も考えてください。

早期注意情報(提供:ウェザーマップ)
早期注意情報(提供:ウェザーマップ)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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