コロナ禍で働く人の意識はどう変わるか~3000人意識調査の分析~【江夏幾多郎×倉重公太朗】最終回
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時代の変化の激しい今。会社は、従業員一人ひとりに対して、どのような貢献をしてほしいかを、人事制度を通じて明確に提示しなければなりません。ここで重要なのは、従業員に期待される貢献は不変ではないということです。具体的な行動やスキルの価値基準は、数年単位で変化することがあります。企業の競争環境や労働市場、そして組織的な価値創造のプロセスが、年々変わるからです。人事管理を取り巻く状況の変化には、労働者側も、会社側も常にアンテナを立てて、最新の情報をつかみ、戦っていかなければなりません。
<ポイント>
・日本で仕事を見つけること、キャリアを積むことに大きな変化は見られない
・多くの人が主体的で自律的なキャリアを築くには?
・人事評価は何のためにやるのかを考える
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■これから就職する人へのエール
倉重:今年就職した人や若い方で非常に不安感が特に高い人も多いのではないかと思います。そういう意味で、先生から若い働く人に対するエールや、アドバイスをいただけないでしょうか。
江夏:良い面も悪い面も含め、日本で仕事を見付けることや、キャリアを積むことに関しては、180度変わるようなことは、今に至っても大きな変化は起きていません。
倉重:そうですね。
江夏:現下の有効求人倍率や内定率は低下傾向ではありますが、少なくとも21年卒の段階では、業種や企業規模の許容範囲を広く設ければ、全く仕事が見つからないというわけではありません。
いずれにせよ、これまでのような、過去の通念に乗っかった、あるいはある程度マニュアル化された就活が全く通用しないわけではないでしょう。会社のいう通りに職務経験を積んでいけば、所得や職業能力の面で、そこそこやっていけるでしょう。ただ、そういう生き方で10年後、20年後、30年後のあなたのキャリアはどうですかというと、上世代とは同じようにはいかないかもしれません。そういうことは平成に入ってからずっと言われてきましたが、日本の経済社会状況については、その頃よりも総じて厳しくなっています。ですので、勉強などの学生ならではの実体験、職務経験などの社会人ならではの実体験に基づいて、やりたいことやできることについて、体系的に、かつ想いを込めて言えたほうがいいと思うのです。これまでの雇用慣行は、当分は持つかもしれませんが、その後の保証はありません。上世代を頼っていればいいわけでもないので、若者一人一人が自律への強い意志を持ち、意志ある人同士で連帯していきたいところです。企業や行政、さらには労働組合や人材会社や非営利団体などがそうした意志を支援できれば理想です。
22年卒以降については、景気の動向も予断を許しませんし、そもそも新卒一括採用に頼りすぎない動きも大企業を中心に出てきていますし、やはり従来型の就職活動、その前段階での学生生活のままでは厳しいでしょう。上で述べたようなことは、この世代にも当てはまるでしょう。
倉重:一気に若年失業率が急上昇するような状況でなく、日本は変化が緩やかで本当に良かったですね。
江夏:ただ、この変化が学生や若年就労者にとってただただしんどい、ネガティブなものかというと,そうではないです。そもそも、従来型の日本の企業社会が、今の10〜20代、「Z世代」と呼ばれることもある世代の人たちにとって居心地のいい環境かというと、そうではないでしょう。今の自分に役立つ仕事をやれているかどうか、自分の貢献に対して将来ではなくいま報いてくれるかどうか、そういうことが気になる人たちに対して、企業がどれだけ応えていけるのでしょうか。
今回の調査からも、自分のキャリアは自分でドライブかけていくとか、周りに流され過ぎないとか、そういう人のほうが安定的な心理や行動を手にする傾向も出て来ました。数年間は今までどおりでも安泰かもしれませんが、長い目で見たらそうとは限らないのです。自分のキャリアは自分で――もちろん「一人で」という意味ではありません。適切な人と関わり合いながら作っていくということを、誰もが今から考え、実践すべきだろうと思います。こういった自律的キャリアというのは、最初の数年はうまく形成・表現ができないかもしれません。しかし、そういうことをちゃんと話せる人たちと一緒にトライアンドエラーを重ねていくことで、10年後、20年後、その人の職業人生を支えるものになっていくのではないかとは思います。
倉重:そうですね。「コロナで新卒の研修もなかったのにすごい成果を出した」と言われるように頑張ってほしいと思います。
江夏:こうした状況でも社員ときちんと関われる企業とそうでない企業が、従来以上にはっきりと分かれているように思えます。
倉重:企業・経営層の本質が問われる、というところですね。
江夏:そうですね。ありきたりな情報で「誰それさんが言うから、この会社がいい」とか「ランキングで上位だからこの会社がいい」とかいうのではなく、企業の良し悪しやフィット感について、自分なりの評価軸や情報網を大事にしてほしいです。情報についても鵜呑みにするのではなく、「具体的にはどういうこと?」「本当?」という姿勢で臨んでみるのです。その情報源が転がり込んできたというのではなく、自分で作り上げた、選び取った、という感覚が大事です。
倉重:そうですね。リアルな訪問制度などの機会は制限されるかもしれませんが、その分無料のWebセミナーや、いろいろなつてをたどって直接メッセージするなり、オンラインを活用してミーティングをするなど、いくらでもやりようがありますね。
江夏:そうだと思います。ウェビナーの登壇者でも、自分の意見をきちんと伝えられる人とそうでない人がいます。「それらしいことを言っているんだな」という人と、「本当にすごい」という人の見極めも、たんに話を聞くだけではなく、自分から質問したり、連絡したりすればできます。確かに、コロナのおかげで社会人や企業との接点の持ち方は変わりましたが、接点が持ちにくくなったか、良質な情報を取れなくなったかというと、必ずしもそうではありません。
倉重:そうです。今の時代なりのやり方があるではないかと。
江夏:そういうふうに創造的に適応していくというところが、結局はその人のキャリアの蓄積につながるのではないかと思います。
倉重:おお、いい締めですね。素晴らしいです。来年は希望的な調査が出て来てほしいと本当に思います。では最後に、私からは最後になりますが、江夏先生のこれからの夢をお伺いして、締めたいと思います。
江夏:日ごろから、「何のためにこの仕事をしているのか」ということを考えますが、自分のキャリアを自分で選び、作り上げるということを、一部の人だけのものにはしたくないのです。主体的で自律的なキャリアを人々が生きるためには、様々な資源や機会が必要で、かつそうした資源や機会は幅広い対象にとってアクセスや利用が可能でないといけません。そういったアクセシビリティが高くなるような雇用や人事管理、労働移動や教育の仕組みが生まれる一助になれたらいいと思っているのです。
倉重:素晴らしいですね。
江夏:これは当然私一人でできることではないので、同じようなことを考えている人と一緒に学び合いながらしていきたいと思っています。これまで、雇用契約の主導権は企業にありました。これが現在少しずつ労働側に行っているということが言われています。その理由も、結局は「マクロ的に労働力が不足しているから」というところが主でしょう。労働者の能力や相場賃金が上がったから対等になったというのは、あっても局所的だと思います。
倉重:基本的に何かが変わったわけではないですものね。
江夏:そうです。人口構造がそうさせている部分があります。それだとお互いにとってあまり生産的ではないですよね。労働者全体による企業や社会への貢献の総量が増えたかというとそうとは言い難いし、だからこそ、企業に対する交渉力もそれほど強くはなりません。いい労働環境とは、いい労働者の異議申し立てや提案によって作られますし、そういう労働者には高い市場価値がつき、フォロワーもつくことで社会全体での労働力の底上げが図られます。そういった流れを企業としてうまくプロデュースし、活用できるような人事管理を実現するため、片隅で活動ができたらいいとは思っています。
倉重:いいですね。分野は違いますが、本当に同じような思いでいると勝手に思っていますので、それぞれいい影響を与えられるようになっていけば素晴らしいと思っています。
■日本人は我慢してしまうので、会社のいろいろなところに不満が蓄積される
倉重:ここからは、参加者からご質問を承りたいと思います。やはり経営理念なので、柏さんですね。柏さんにはYahoo!の対談にも出ていただきましたが、「カニを30億売る女」です。
柏:「タラバガニの女王」ということで、Yahoo!対談に出させていただきました。株式会社ピグマリオンの柏です。
倉重:今は経営理念のスペシャリストなのです。
柏:経営理念のスペシャリストですが、タラバガニの情報に押されて、営業研修が殺到しているという状況です。経営理念は1年に1回ぐらいしかできません。先生、今日は本当にどうもありがとうございました。
江夏:ありがとうございました。
柏:自分自身も経営理念を研究していて、私の心の師匠は高尾先生です。4,300人もサンプルを取られて、もうどこから分析したらいいか分からないような膨大な資料だったと思いますが、本当に平たく言うと、このデータから、「そんなにはっきり差が出ないものなんだ」という印象を得たのですが、その点はどうですか。研究の側面から見ると私はもっと差が出るかと思ったのに、意識が意外となかったという印象です。そのあたり、先生はどのような全体観をお持ちですか。
江夏:日本の全体というところを捉えようとしたので、少なくとも年齢や性別、居住地、所得などの平均値を見る限りでは、そこそこ代表性が確保されたように思われます。
先ほどおっしゃったような主観的なデータ、心理や行動に関してあまり差が出なかったことに関しては、ビジネスや教育に関するメディア界隈だと「これから働く側がどんどん意識を変えていかなければいけない」といったテイストの言説が多く出されています。実際にチャレンジしている方々も多いとはいうものの……。
柏:これが本当の姿なのかなと。
江夏:国全体、社会全体で見たら、こういう状況でも積極的に変化を起こしていこうという姿勢を持っている人がごく限られているというところです。
柏:限られた人なのかというところですね。
江夏:それに関しては、いい悪いという話ではないと思っていて、「こういう全体像だ」ということを踏まえた上で、「ではそういう現状に即した施策は何か」ということを考えていくしかないと思います。
柏:ギャロップが2017年にこういう調査をして、仕事に熱意がある人は日本人が6%でアメリカが30数%というすごい差が出て驚きました。これだけ大規模な定量調査をしてもそのような結果になるということは、経営者はこのあたりのワークエンゲージメントについてもっと真剣に考える必要があるということですよね。
江夏:調査とは話がずれるかもしれませんが、日本ではエンゲージメントが低いからといって、なかなか転職しないじゃないですか。
柏:なるほど。
倉重:特に日本はそうですね。
江夏:日本以外の先進国では、不満だったら社内で条件交渉し、それがうまくいかなかったら転職します。そういうこともあって社会全体で不満がそれほど溜まりません。でも日本の人は我慢してしまいます。
柏:これは日本型なのですね。
江夏:我慢してしまうので、各会社のいろいろなところに不満が蓄積されるのです。そういう不満はなかなか顕在化しません。例えば訴訟したり、離職したり、会社のシステム障害を起こしたり。そういう行動に反映されないので、経営者もある意味、甘えます。
柏:ここは優先課題が低くてもいいのですね。日本型として、どうせエンゲージメントが低くても転職しないから、そこは放っておいても大丈夫ということでしょうか。
江夏:長期的なパフォーマンスには影響が及ぶと思いますが、目先働いてくれるじゃないですか。
倉重:そうですね。取りあえずものは作りします。
江夏:定められたことはやってくれるし、そこまで業務のフローに穴は開けないし、「まあいいか」となってしまうのではないですか。ただ長い目で見たら、着実に、職場や、もっと言うと社会全体を蝕むのではないかとは思います。
倉重:はっきり言って、もう国力が低下しているということですね。
柏:そうですよね。倉重さんのおっしゃるように、そういうものなのですね。ありがとうございます。少しスペシフィックな質問をしていいですか。
江夏:はい。
柏:経営理念が職務上の行動に前向きな影響を及ぼしているとおっしゃっていましたが、報告書を見ると「自社の経営理念は、仕事上の難関を乗り越える上での助けになる」という設問になっています。先ほど、お話の中で「仕事の中で理念を意識、活用している」とおっしゃっていましたが……。
江夏:はい、柏さんがおっしゃったのがより正確なところです。
柏:でも本当はもう1問欲しかったですね。「自社の経営理念に共感を覚えているか、覚えていないか」という設問のほうが本当は効いたかもしれないのに。惜しいというか、入れてほしかった1問だなと思いました。
江夏:ここは、ほかの設問項目とのバランスを図りました。全部で200ぐらいの質問項目でしたので、個別の概念に関する質問を最小限でしか設けられなかったのです。
柏:残念。ありがとうございます。理念を研究していますので、ぜひまた情報交換させてください。
江夏:勉強させてください。
倉重:ありがとうございます。以前弁護士会の調査で、タイの労働省に行った時も、労働省の方から「日本は過労死したり、ハラスメントを受けたりしてもやめないのはなぜですか。タイの人なら皆転職してしまいます」と言われました。その、我慢して、居辛いのに居てしまうという雇用環境は、私は本当に変えたいと思っています。
江夏:少しずれますが、私には子どもがいるのですが、小学校とかの教育を見ていると、我慢させることを是としているところがまだ私の頃と変わっていないように見えます。クラス全体での秩序を重んじるとか、全体の学習ペースをボトルネックの子に合わせるとか、そういう教育をしつづけていて、ある意味感心します。
倉重:製造業向きの人材を育てる教育システムですよね。
江夏:おっしゃるとおり我慢強いのですが、子どもや若い人から見て、自分より年長の人や親世代に対して「この人は自分の好きなことをしていて楽しそう」と思えたら、大人になるとか、キャリアを積むということに対して、もっと希望が湧いてくると思います。家に帰ったら文句ばかり言っているとか、文句も出ずにぐったりしているとか。そういう大人を見た子どもや若者は、「中学校、高校、大学の今は楽しいけど、それ以降は人生下り坂なのだろう」みたいに思いそうで、それはすごくもったいないです。
倉重:われわれ一人ひとりが背中を見せて、楽しいと思わせる存在でありたいですね。
江夏:そうです。中学生などが、期末試験とかで大変なのに、自分の親は楽しそうで、仕事帰りの姿を見て「親はうらやましいな」と思わせる人たちがもっと増えたら、先も希望が持てるのでしょう。
倉重:いいですね。この間、私が母校の高校で講演した時も「学校などは行かなくていいから、自分の好きなことをしていろ。但し、好きなことがないなら勉強しろ。」と言って来ました。
では分野が違いますが、中澤先生。産業医という立場から如何ですか。
中澤:産業医の中澤です。初めまして。ちょうど組織などにいろいろ関わっているので、一つひとつの話に納得感がありました。私も最近大学で研究をしていて、「職業と健康の関連」という意味でも、お話を伺ってすごく勉強になりました。
私から一つご質問させていただきたいのが、この研究では、不安感や孤独感など、例えば「実際に病気になった」「メンタルヘルス不調になった」というところは調べられましたか。
江夏:メンタルヘルス不調までは調べていないです。ストレスや業務のオーバーフロー感というか、「処理しきれない」という感覚は尋ねています。回答者と直接やりとりができないインターネット調査という状況で、あまりに回答者の内面に入り込むようなセンシティブな設問は避けたほうがいい、という判断でした。
中澤:そうなのですね。それだけでも周りの家族の不安などに相当関連がありそうですが。
江夏:そうです。そこがある種、こういうサーベイの限界みたいなところがあって、そこは臨床的に現場に入って、話を聞いて、あるいは言葉にならない動きや態度みたいなものを観察する調査も必要になるのだろうと思います。それはもう産業医の方が本業だと思います。
倉重:つながっていただいて、いろいろ情報交換してください。
中澤:ぜひよろしくお願いします。
■リモートワークでどのように人事評価をすべきか
倉重:では最後、人事コンサルの津留さん、お願いします。
津留:今日はありがとうございました。人事コンサルタントをしている津留と申します。
主に制度作り、評価制度や賃金制度、研修などをやっている会社の、私自身はサラリーマンです。ちょうど9月で半期が終わり、いざ評価だという会社さんが増えてきています。でも半年間テレワークだったから、今までなら一緒にいた従業員を見てもいないし、「何を評価するのか」とか、評価項目自体が観察すること前提になっていて、「観察していないのですが、何を評価するのですか」という話がじりじりと増えてきています。
江夏:あるでしょうね。
津留:4月から9月末までが評価期間という企業さんが多いので、これからどの企業さんも困った声が出るのではないかと思いながら、私も実際にもうそういう相談を受けながら対応しています。心理的問題というか、すごくテクニカルな問題ですが、これから評価制度や評価者、従業員を評価する側も結構苦労が多くて、皆さん困っていらっしゃると感じています。
江夏:よく分かります。
津留:何かこのあたりで、「こうなっていくのではないか」とか「こうしていったほうがいいのではないか」というご意見やお気持ちはありますか。
江夏:人事評価は何のためにやるのかという話を考えたときに、津留さんには釈迦に説法ですが、パフォーマンスマネジメント、業績管理という発想があります。正しい評価をして、貢献と対価の関係性について納得してもらう。それは当然大事ですが、公正な評価、納得できる評価というのは、最終的に社員の業績を上げるという一手段に過ぎません。そう考えたときに、最終目的である、社員や職場の業績向上のために管理者がやるべきことは何かというと、日々の観察の中での意見交換、フィードバック、逆フィードバックをもらって、マネジメントを改善することをどれだけできているのかということが、パフォーマンスマネジメントの要諦なわけです。
それでいくと、「コロナになったから」とか「リモートになったから」みたいなことをどこまで言い訳にしていいのでしょうか。通勤させないというのは社員やその家族の感染リスクや健康を管理する結果でもあるわけで、非対面状況に文句を言うだけでは仕方ないのです。ではリモートが入らざるを得ないとしたときに、管理者としては、その中でどれだけ最善を尽くすのか。最善が尽くせないときは、さらにその上に対して、「リモートをきちんと使えるようにするためのさらなる整備や研修機会をもっと寄越せ」みたいに言わないといけません。
下に対して「より良い評価やチームワークのためにどんどん情報共有していこう」「情報をよこせ」「アピールしろ」と言わないといけません。だからマネジャーとしての努力の向け先や要求する先、要求の内容を間違えたらいけないのではないかと思います。
津留:ありがとうございます。今先生が言われたことはもっとも至極ですが、マネジャーさんというか、人事の方やもっと上の社長さんと話すときに、「分かりました、やってみます」と言う人と「あ、それはできないです」みたいな人がいらっしゃって、いいマネジャーというのは、時代の変化とともに変わっていくのかなと思っています。
江夏:たぶんやったことがある人に来てもらって、付きっきりで実習みたいなことをしたら、意外に慣れますよね。
倉重:今の話は、それほど難しい話ではないですよね。
江夏:主婦も子ども同士でのミーティングや雑談も、今はZoomでしているじゃないですか。変な話そういう人たちでもできるのに、ビジネスの最前線で予算や人を差配している人ができないわけがないでしょう。「自信を持ちなさい」というところはあると思います。
津留:ありがとうございます。
倉重:そうですね。うちの小学校2年生の娘でもZoomを使いこなして、いかにサボるかを考えています。
江夏:「やった感をだす」ということですね(笑)。
倉重:長時間にわたり、本当にどうもありがとうございました。すごく面白かったです。
江夏:いいえ、ありがとうございます。
倉重:ぜひまたお話を聞かせてください。
(おわり)
対談協力:江夏 幾多郎(えなつ いくたろう)
神戸大学経済経営研究所准教授
1979年生まれ。一橋大学商学部卒業,同大学にて博士(商学)取得。名古屋大学大学院経済学研究科を経て2019年より現職。専門は人的資源管理論,雇用システム論。主著に『人事評価における「曖昧」と「納得」(NHK出版)など。