NY金7日:続落、米雇用統計後の下落リスクを警戒
COMEX金6月限 前日比比8.10ドル安
始値 1,191.30ドル
高値 1,192.00ドル
安値 1,177.90ドル
終値 1,182.20ドル
米経済に対して楽観ムードが強まる中、続落した。
明日に4月米雇用統計の発表を控えているが、マーケットでは再び金相場を大きく押し上げるような材料にはならないとの楽観ムードが強く、戻り売り優勢の展開が続いている。4月ADP雇用統計では、民間雇用者数が前月比+16.9万人に留まるなど、必ずしも雇用統計に強い数値を期待する根拠は乏しい。本日発表の新規失業保険申請件数は失業者が抑制されていることを示したが、雇用環境の悪化が3月分の1ヶ月だけで終わったのかは慎重な判断が求められる。ただ、マーケットでは少なくとも前月よりは雇用者数の増加幅が拡大するとの楽観的な見方が強く、金相場はアジアタイムから戻り売り優勢の展開を強いられている。
4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は冬季の景気減速について「一過性」との判断が示されたが、今回発表される雇用統計で本当に「一過性」であったのか否かを見極めることになる。他経済指標の雇用項目をみる限り、サプライズとなる程に強い数値が出てくる可能性は低いが、雇用者数が前月比で+20万人の節目を上回れば、金からドルに対する資金シフトの動きが再開される可能性が高い。
いずれにしても、ドル安局面で反発できなかった相場であり、雇用統計がネガティブであれば現行価格水準での保ち合い相場継続、ポジティブであれば下値模索の展開が想定される。今後も経済指標の結果に一喜一憂する不安定な相場展開が続くことになるが、上昇リスクと下落リスクのバランスを考慮すれば、戻り売り対応が基本になるだろう。