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記録保持者はローズもキングはイチロー?非公式な「日米通算」で米国ファンはイチローの偉大さを再認識

豊浦彰太郎Baseball Writer
記録保持者はローズ、ヒットキングはイチローかも(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

イチローが日米通算での安打数を4257本とし、数の上でピート・ローズのメジャー記録を上回った。このことは、イチローが歴代1位になったことを意味しないが、彼の偉大さを日本だけでなくアメリカのファンにも再認識してもらう良い機会になった。

今朝は早起きした甲斐があった。日本時間の早朝ゲームだからこそ、ライブで4257本目を見届けることができた。心情的には2日後からのホームでの対ロッキーズ3連戦で決めさせてあげたかったが、僕の場合その場合出勤時間の関係で生では見届けられない可能性が高かった。

彼の日米通算でのローズ超えに関しては、MLBでは公式記録どころか参考記録でもないにも関わらず、日本ではお気楽な「歴代1位」報道にファンがミスリードされていることにコアなファンは眉をひそめていたのだけれど、ここ数日現地ではもっと肩の力を抜いてイチローを賛美する記事が目についた。

NPB時代の合算値を持ち出すことで、もうじき通算3000本安打に達さんとする彼のデビューが27歳という「高齢」であったことを再認識させることになったからだ。また、アメリカ人のほとんどが、NPBを(そのレベルの高さは認めつつも)メジャーとは同格とは見なしていないが、「イチローなら、最初からメジャーでプレーしていれば今頃同じくらいの安打数を積み上げたのではないか」と考えるようになったと思う。

その意味では「日米通算」というあまりに非公式な概念によるいわば数字のお遊びも、無意味ではなかった。現時点でも、安打数の歴代記録保持者はローズであることは100%間違いないのだけれど、もっと主観的、定性的な「古今東西のヒットキングはだれか」というファンにとって楽しい議論では、「キングはイチローでローズはクイーン」という意見が出てきても、決して荒唐無稽ではない。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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