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Google 2020年の検索ランキング発表&動画公開「なぜ?」がかつてないほど検索された1年

佐藤仁学術研究員・著述家
検索上位は新型コロナウィルス、大統領選挙、緊急事態宣言(写真:ロイター/アフロ)

検索上位は新型コロナウィルス、大統領選挙、緊急事態宣言

 Googleが2020年12月9日に、2020年の検索ランキングを発表した。毎年恒例になっているが、今年はやはり「急上昇ランキング」では、1位は世界中での新型コロナウィルス感染症、2位はアメリカの大統領選挙、3位は緊急事態宣言だった。

 今年は「○○とは」でも1位は「緊急事態宣言とは?」で続いて「東京アラートとは?」「ロックダウンとは?」「パンデミックとは?」「オーバーシュートとは?」と新型コロナウィルス感染拡大に関連するワードで、他にも2020年に急上昇してきた言葉ばかりが並んでいる。他にもGoogleでは「作り方」「申請方法」「人名」などでの検索ランキングを発表している。また日本だけでなく世界中でもGoogleはサービスを提供しており、国ごとの検索ランキングも発表しており、世界中の多くの国で2020年は新型コロナウィルス感染拡大に関連する言葉の検索が上位を占めている。

「探し続けよう、答えを見つけるその時まで」

 またGoogleは2020年の検索結果を振りかえった動画も作成し、YouTubeで公開している。タイトルは「Year in Search 2020 検索で振り返る」で、日本語版だけでなく世界共通の英語版もあり、2020年の日本や世界での主要な出来事の映像などが流れている。この動画の中でGoogleは「なぜなのか、知りたくなることは、人間の特徴だと思う。この1年、『なぜ?』はかつてないほど検索された」と語って、2020年の様々な「なぜ?」の検索されたワードや状況を紹介している。例えば「なぜ、多くの命が失われたのだろう?」といった新型コロナウィルス関連や、「なぜ豪雨が続くのか?」といった自然災害関連の検索ワードを動画とともに紹介しており、最後は「探し続けよう、答えを見つけるその時まで」(英語版では"we're still searching")と訴えている。

 新型コロナウィルス感染拡大で、今までの生活や仕事のスタイルが大きく変わり、「なんで?」「どうして?」と思ったことが多かった1年だった。そのような人々の生活意識や生活スタイルの変化に対する「なぜ?」「どうして?」の問いかけを世界中の人がGoogleで検索していたのだろう。そのような世情を反映した動画になっている。

 人間の行動や思想、そして文化や生活様式、経済活動から社会活動、さらには自然界での事象まであらゆることが文字や写真、映像などで表現されている。そのため新型コロナウィルス関連だけでなく、あらゆる情報がネット上には氾濫しており、検索すれば何かしらの結果が出てくる。新型コロナウィルス感染拡大による生活や仕事のスタイルの大きな変化への「なぜ?」や、理不尽な想いや想定外の世情、さらに人間の想像力を越えた自然災害に対する「どうして?」に対しても何かしらの検索結果が見つかるだろう。だが、その検索結果を自分の中で受け入れられることができるのかといった個人の"人間力"や"叡智"が問われているのかもしれない。

▼Year in Search 2020 検索で振り返る(日本版)

▼Google — Year In Search 2020(英語版)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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