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海賊版サイトが有料サービス『漫画村プロ』を発表。クレジットカードや個人情報渡せますか?

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
有料サービスを発表した海賊版サイト。筆者キャプチャ

 漫画の海賊版サイト『漫画村』が「ユーザーが増えて維持費がアップした」ことを理由に、月額500円の有料サービス『漫画村プロ』を4月から5月にかけてリリースすると発表しました。

 言うまでもなく海賊版サイトの利用は無料だろうが有料だろうがやめるべきです。しかし、この記事では有料サービスを検討している人に対して呼びかけたいと思います。

海賊版サイトに情報を預けて大丈夫?

 海賊版サイトとは著作権を侵害して、ハッキリ言えば法律に違反して運営されているサイトです。

 そのようなサイトに会員登録を行い、自分のメールアドレスやクレジットカード情報を預けることは安心できることでしょうか?

 少なくとも筆者にはそのように思えません。

 メールアドレスに頻繁に広告のスパムメールが届いたり、登録したメールアドレスとパスワードを元にほかのサイトに対してアカウントリスト攻撃を仕掛けられたり、クレジットカード情報そのものを悪用されたりする未来しか見えません。

 もちろん漫画村の運営側は「そのようなことはしない」と言うでしょうが、信用できますか? 海賊版を運営しているようなグループですよ?

有料化後に逮捕された海賊版サイトも

 じつは海賊版サイトの有料化は今回が初めてではありません。国内の事例では同様の漫画の海賊版サイト『464.jp(現在は出会い系サイトへの誘導ページになっている)』が、2006年に有料サービスを開始してからわずか3日で逮捕されるということがありました。

 このときは開始から2日で1,000人の登録があったとのことです。登録者の情報は捜査を行った警察の手に渡り、その後の事実関係の確認などに十分に利用されたことは想像に難くありません。

 過去にそうした事例があっても、登録できるものでしょうか? もちろんこれを読んでも利用する人はするでしょうから、この記事はそういうリスクを知らなかった人に対しての注意喚起となれば良しとします。

 おそらく漫画村の現状は「有料化しないと十分なサービスを維持できない」状態にあり、いよいよ摘発が近くなったら登録された多数のクレジットカード情報を悪用して最後の荒稼ぎをして逃げ出すことでしょう。

海賊版サイトの名前を出している理由について

 通常であれば海賊版サイトの名称は伏せるべきですが、すでに検索エンジンの検索候補に名前が出てくること、日本漫画家協会の声明や漫画家による呼びかけなどによって周知されていると判断したため、逆に「漫画村」で検索する人に届くことを願って明記しています。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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