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二刀流が更なる高みへ!今季の大谷翔平に期待がかかる「40本塁打&230奪三振」という神レベルの偉業

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
2試合で3本塁打を放ちリーグ単独2位に躍り出た大谷翔平選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【2試合連続&今季初マルチ本塁打でリーグ単独2位に】

 エンジェルスの大谷翔平選手が現地時間5月31日のホワイトソックス戦にDHで先発出場し、今シーズン初となるマルチ本塁打を放ち、チームの勝利に貢献している。

 これにより今シーズンの本塁打数を15本に伸ばし、ア・リーグではアーロン・ジャッジ選手の18本に続き単独2位に躍り出ている。

 また大谷選手がマルチ安打を記録したのは5月18日のオリオールズ戦以来のこと。前日も特大本塁打を放っており、ここ15試合は打率が1割台に低迷し打撃不振が危惧されていたが、それを払拭するような活躍となった。

【投手としても奪三振部門でリーグ単独1位】

 今更説明する必要はないと思うが、大谷選手は投手としてシーズン開幕から中5日登板を続け、現在奪三振部門でもここまで90を記録し、リーグ単独1位にランクしている。

 すでに本欄でも報告しているように、負傷もなくチームの起用方針に変更がなく中5日登板を続けていけば250奪三振を上回るペースで推移しており、奪三振のタイトルを狙える可能性すらある。

 本塁打に関しては、ジャッジ選手がここまで1本塁打あたりの平均打席数9.28と、リーグ年間本塁打数を更新した昨シーズン(9.19)並みのペースで本塁打を量産しており、現在14.13ペースの大谷選手が今後どこまでジャッジ選手に近づいていけるか注目されるところだ。

 ただ投手、打者それぞれで個人タイトル争いをしている時点で、もう完全に異次元レベルの話であることは疑いの余地がないだろう。

【本当の意味で二刀流評価に相応しい「本塁打数+奪三振数」】

 これまで大谷選手の二刀流はベーブ・ルース選手と比較され、「2桁勝利&2桁本塁打」が指標にされてきた。そして昨シーズン見事にルース選手以来の快挙を達成している。

 だが個人的には個人の力で積み重ねていける本塁打と違い、勝利数はかなりチームの影響を受けるため、二刀流を純粋に評価する上で相応しくない指標だと感じていた。

 投手にとって本塁打に近いものはやはり奪三振であり、「本塁打数+奪三振数」こそ、二刀流の評価に相応しい指標ではないだろうか。

【現在ではいずれも達成困難な40本塁打と230奪三振】

 ちょっと話が横道に逸れるが、今シーズン注目を集めている1つに、ブレーブズのロナルド・アクーニャJr.選手の「30本塁打&30盗塁」達成がある。状況によっては、MLB史上4人目の「40本塁打&40盗塁」達成の期待が寄せられている。

 そこで本欄では、大谷選手に対し二刀流ならではの目標値を設定し、今シーズンの活躍を見守っていくことにした。それが「40本塁打&230奪三振」だ。

 とりあえず下に掲載した表をチェックしてほしい。ここ10シーズン(短縮シーズンだった2020年は対象外)の40本塁打と230奪三振の達成者数をまとめたものだ。

(筆者作成)
(筆者作成)

(筆者作成)
(筆者作成)

 すぐにお分かり頂けると思うが、2019年の40本塁打達成者を除き、毎シーズン1桁の選手しか到達できていない。どちらもエリート中のエリートしか到達できない神域といっていいだろう。

【更なる高みを期待したくなる際限を感じさせない伸びしろ】

 これを同一シーズンに達成するようなことになれば、大谷選手の二刀流は更なる高みに足を踏み入れたことを意味する。

 昨シーズンはMLB史上初めて「規定打席&規定投球回数」をダブルクリアし、メディアからも「2度と目撃できないかもしれない偉業」と称賛された大谷選手だが、そんな偉業は早くも過去のものにして、それを飛び越える空想を我々に抱かせてくれる。

 大谷選手の二刀流としての伸びしろは、どうやら際限がないのかもしれない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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