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【緊急提案】ネット炎上、子どもに教えたい3つのこと

竹内和雄兵庫県立大学環境人間学部教授

ネット炎上事件続発

若者のネット炎上事件が続発しています。

ファミレスの冷蔵庫に入ったり、パトカーの屋根に乗ったり、線路に降りたり……。実際に逮捕されたりしたケースもあり、結婚や就職等で不利になることも充分考えられます。軽い気持ちの投稿が、子どもの人生を狂わせます。

今、大学生と一緒に、「中高生に教えてあげたいネットのこと(仮題)」を作成中ですが、完成にはもう少し時間がかかるので、今日は、大事なことだけ、3つに絞って書きます。

あなたのことが大切で心配だからしっかり聞いてね」と宣言してから話してください。

ネット炎上、子どもに教えたい3つのこと

1.ネットに書いたら永久に残る

軽い気持ちで投稿してしまったら、自分が削除しても誰かにコピーされたりして、どんどん広げられたりして、永久に残ってしまいます。「一度、投稿したら取り返しがつかない」ことを強く伝えてあげてください。

「自分は大丈夫」「みんなやってる」は危険です。一度炎上したら、人生を棒に振ることになります。

2.「非公開」でも危険

「非公開だから安心」「友達限定してるから大丈夫」という声をよく聞きますが実は危険です。炎上した多くのケースは非公開のはずが、友達が他の友達に拡散(RT、シェア)して広がったものです。おもしろがって広げられたケースと、けんかした腹いせに広げられたケースがあります。「LINEは大丈夫」とよく聞きますが、LINEに上げた写真を友達におもしろ半分でTwitter等で拡散され、炎上したケースも多数報告されています。ネット上に安全な場所はないと考えるべきです。

3.匿名でもばれる

匿名で投稿していても、炎上したら、すぐ個人が特定されます。今、炎上させるのが一種のブームになっているので、炎上ネタをみつけたら、その人の過去の書き込み、友達のページ等から、名前や住所、学校名などの個人情報を簡単に見つけ、さらに公開します。ネットの向こう側で大勢の人が、獲物を待ち構えていると教えてください。

教えた上で話し合うことが重要です

手元にネット環境がある場合は、「Twitter 炎上」と入力してみてください。実際に炎上した写真が、小さな目隠し程度で掲載されているものを多数目にすることができます。それを示しながら、ゆっくり子どもと向き合って話し合うとより効果的です。

もちろん、前提として、悪いこと、人に迷惑をかけるようなことをしないように伝えるのはもちろんです。「現実社会でダメなことは、ネット上でもダメ」なことを教えましょう。

最後に必ず、「それでも困ったことに巻き込まれたら、必ず相談してね」と伝えてあげてください。

兵庫県立大学環境人間学部教授

生徒指導提要(改訂版)執筆。教育学博士。公立中学校で20年生徒指導主事等を担当(途中、小学校兼務)。市教委指導主事を経て2012年より大学教員。生徒指導を専門とし、ネット問題、いじめ、不登校等、「困っている子ども」への対応方法について研究している。文部科学省、総務省等で、子どもとネット問題等についての委員を歴任している。2013年ウィーン大学客員研究員。

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