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ゲームは婚活の潤滑油になる?山田裕貴さん&西野七瀬さん熱愛報道

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:アフロ)

■オンラインから現実へ…山田裕貴さん&西野七瀬さんはゲームで協力プレー

元乃木坂46の俳優・西野七瀬さん(29歳)と山田裕貴さん(32歳)が真剣交際していると、女性セブンの報道で明らかになりました。元恋愛禁止のアイドルグループとヒーロー出身の若手俳優の熱愛ということで、大きく報じられて盛り上がりを見せています。山田さんは11日、自身がパーソナリティを務めるラジオで「両者温かく、そっと見守ってくれるとうれしい」と自らコメントを発表されました。

二人は共演経験があるだけでなく、共通の趣味でもあるオンラインゲームをきっかけに急接近し、協力プレーをするうちに盛り上がり、現実世界でも連絡を取るようになったと報じられています。自宅を行き来しているとの話や、以前から西野さんが30歳で結婚したいと明かしていたことなどから、結婚間近かという声もあるようです。ご活躍中の芸能人カップルが幸せなご縁を結ばれることを陰ながら応援したいと思います。

今回はお二人がマッチングしたポイントを婚活目線で分析しつつ、婚活現場での事例を交えて紹介します。

■年齢・趣味・共演……共通点でグッと距離が縮まった

まず1つ目のポイントは「年齢」です。日本の初婚平均年齢は、令和2年の調査で男性が31歳、女性が29歳ですから、結婚適齢期ど真ん中です。実際の婚姻年齢の中央値は26~28歳ですから、決して早すぎることはありません。

人気商売とはいえ、現在は俳優業を中心にされているタイミングで、年齢とキャリアプランを鑑みて真剣交際を決めたことがうかがえて、むしろプラスの相乗効果がありそうです。

2つ目のポイントは「共通の趣味」です。結婚相談所のケースでは、共通の趣味があると短期間で真剣交際に進むケースが多いです。出会ってすぐに共通の話題が見つかると会話がはずみ、コミュニケーションスキルにかかわらず、意気投合できるためです。お互いを知らない婚活の場で、情熱的なアプローチができる人は少ないので、お互いが消極的なままだと婚活が前に進みません。マッチングして出会うところまではできても、その先に進めない、気持ちが入らないという人が非常に多いのですが、その点を趣味という潤滑油でカバーできることがあります。

■ゲームが潤滑油になったアラサー婚活事例

私がお世話した婚活現場でも縁をはぐくむ場となっている例があります。私が以前、お世話した婚活カップルで、こんな事例がありました。

女性は29歳、アパレル販売員で年収300万円、男性は30歳の研究職で、年収900万円のカップルです。女性は専門学校卒で見た目はぽっちゃり系ですが華やかで明るい印象、男性は大学院卒で綺麗な顔立ちですが地味目で、コミュニケーションが苦手でした。男性のほうが条件面で上でしたが、お互いオンラインゲームが趣味ということでマッチングしました。

初デートは秋葉原のゲーム喫茶でした。向かい合って座り、別々のゲームを無言で3時間楽しむこともあったとか。お腹がすいたらレストランに移動し、ゲームの話で盛り上がり、食事が済んだらまた無言でゲームに戻る……そんなデートを数回繰り返していらっしゃいました。彼は彼女とのデートがとにかく楽しく、「自分を変えないといけないと無理して婚活をしてきましたが、彼女と出会って、変わらなくていいと思えて結婚を意識できました。ありのままを受けとめてくれて優しいし、同じ趣味の人に出会えてうれしい」と語り、ご成婚の決め手になったようです。

数年前までは「趣味はゲーム」と公言するのは敬遠されがちでしたが、現在はゲーム人口が増えているだけでなく、30代、40代で社会的地位の高い方も息抜きとして挙げ、好意的に受けとめられるケースが少なくありません。一昔前は趣味と言えば、美術鑑賞や音楽鑑賞などの教養を感じるもの、もしくは、サーフィンやゴルフなどのアクティブさを感じられるものがよく聞かれました。ただ、コロナ禍を経て一変し、在宅やオンラインでできる趣味が、生活を共にしながら楽しめる、安全な趣味という認識になったこともあるでしょう。わざわざ出かけなくても楽しめる、余計なお金がかからない、という意味で、不景気が続く中での安心材料にもなっています。

■「共同作業」で意気投合したら「結婚観のすり合わせ」を

ゲームのなかでも「オンラインゲーム」は、コミュニケーションが必要で一緒に楽しめる「共同作業」の側面が強いともお聞きします。

よく結婚式のケーキカットを「初めての共同作業」と言い表しますが、交際時にどれだけ共同作業ができるかは、結婚後をイメージするために重要です。結婚相談所では真剣交際に入ると、結婚を前提に準備の一部が始まります。例えば、お互いの両親に会う予定調整をしたり、手土産や場所を手配したり、披露宴準備に着手することもそのひとつです。

そして、共同作業でお互いの価値観が違うことに気づいたら、どれだけ理解しあえるか、寄り添えるかを確認していきます。趣味もそうですが、同じであることだけが大事なのではありません。

婚活現場では「何度デートしても、ただ遊んで、ご飯を食べているだけでは遠足と同じです。必ず膝を突き合わせて、結婚観について話す時間を持つこと」とお伝えしています。

婚活中の方々は、ゲームなど同じ趣味で意気投合をし、気が合うと思ったら、ぜひ現実世界で結婚するための具体的な話し合いをしてみましょう。「趣味が同じだから、うまく行く気がする」「一緒にいるとなんとなく楽しい、なんとなく気が合う」というだけでは、真剣交際や結婚には至れません。結婚後のキャリアや働き方、暮らし方や住まい、お金のことを具体的に話し合い、一歩踏み出してみましょう。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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