誰もがAI加工のデビッド・ボウイのヒーローズに #HeroesCamera by LeeMartin
KNNポール神田です。
SNS界隈で『デビッド・ボウイ』の『HEROES(英雄夢物語りヒーローズ)』のジャケット写真が、かなりでまわっている…のではなく、変身アプリの『Heroes Camera』によるものだ。これは、LeeMartin(リー・マーティン)によって、2024年2月7日に公開された。
ご自分の写真を試してみてほしい。
x.comでも『1日だけのヒーローズたち(Just one day)展』が開催されているといってもよいくらいユニークなデビッド・ボウイのヒーローズ風が並ぶ…。
https://twitter.com/hashtag/heroescamera
『heroes.camera』の使い方は、とても簡単だ。自分の写真を撮影するか、自分の写真をアップロードするだけ…。
すごいのが、その再現性だ。
今までは、アルバムのデビッド・ボウイと同じようなポーズを取る必要があったのだが、このアプリは、顔が明快な自分の写真だけで良いところだ。
普段の自分の顔がそのまま、デビッド・ボウイのような角度で、無機質な目の再現もしてくれるところに驚く。
デビッド・ボウイの完成度とまでは、いかなくても、日本人だと、キャロル、クールス、横浜銀蝿のリーゼントスタイルのロックンローラーっぽくなるから不思議だ。なぜか欧米人よりもフィットして見える。
そして何よりも、世界でも一番、日本がバズっていることが、日本のソーシャルパワーを物語っている。
Lee MartinのX.comより
■なぜ?日本が一番ブレイクしているのか?
日本で4万PV、米国は4,000PVだ。英国ではまだ600PVだから日本が突出している。
これは、とても明確だ。
変身アプリは、いままで数あれど、日本人で、納得の行く変身姿は少なかったように思う。
どうも、欧米向けの変身アプリは、我々、日本人にとって違和感でしかなかった…。ポーズや構図を考えることなく、普通の写真から、一瞬で、このようなAIテクノロジーで気軽に変身でき、ソーシャルの中で知人に対して、感動とウィットネスを与えることができるのは珍しい。しかも無料で。
何よりも、この『HeroesCamera』は日本人の顔立ちのポートレートとしても、とても印象的な写真になるから不思議だ。これは新たな体験であり、この写真の特有の構図によるものかもしれない。
そう、この『デビッド・ボウイ』の『HEROES』の(1977年)ジャケット写真は、日本人カメラマンの『鋤田正義(すきたまさよし)』氏の撮影によるものだったことも有名だ。
https://wmg.jp/davidbowie/discography/19060/
■『HeroesCamera』制作のきっかけは…TikTokからのUNIVERSAL撤退が理由だった。by LeeMartin リー・マーティン
リー・マーティン(LeeMartin)は、音楽関係のクライアントのウェブアプリを数多く手掛けている。そして、それだけでなく、その技術ソースも、ふんだんに『medium』で公開している。
大手、『ユニバーサルミュージックグループ』が保有する音楽を『TikTok』から外すと発表(2024年2月2日)したとたん、LeeMartinはすぐにTikTokのユーザー体験を、ウェブ上で再現する方法を考え始めた…。そして『heroes.camera』の公開は2024年2月7日(水)だった。
■私たちは王と女王になれる。1日だけなら。
そして、重要なのが、このアプリの左上のハンバーガメニューの『三』をクリックするとリンク先がデビッド・ボウイのOFFICALのLinktreeにつながるのだ。
https://linktr.ee/BowieOfficial
アンオフィシャルなサービスと謡いながら、オフィシャルサイトのようなマーケティング効果を生み出している。
『私たちは王と女王になれる。1日だけなら』のHEROESのメッセージもしっかりとこのアプリで1日だけと織り込んでいるのも見事だ。
そこは、Lee Martinが、SoundCloudのプログラマーだったこともあり、長年、音楽マーケティング業界で働いているからゆえの導線を考えているからだろう。
アーティストやマネージメントレーベルのデジタル担当と共にたくさんのデジタルサービスを展開している。
Disneyの『ウィッシュ』のアプリなども制作している。そしてコードなども開発コミュニティで公開している。
ここまで、開発コードを紹介してくれているので、ChatGPTを辞書として駆使してプログラムをこの機会に勉強するのもよいだろう。実際にフリーランスでクライアントワークをしているポートフォリオとなっている。
Lee Martin 氏へのインタビュー動画(英語)
数多くのデジタルアプリでのマーケティングを手掛けている、Lee Martin氏は、2024年は3ヶ月ほど、日本に滞在するそうだ。
日本のCMやプロダクトやブランドでも、この『heroes.camera』のような、なりきりアプリはすぐにでも活用できそうに思う。