この秋に発生した台風は過去最も少ない4個、特に西日本への影響が小さく極端な少雨に
この秋(9月~11月)の台風発生はわずかに4個
エルニーニョ現象の影響もあってか、この秋(9月~11月)に発生した台風は、極端に少なくなっていて、上図の様に、9月の台風13号、台風14号、10月の台風15号、台風16号と、わずかに4個のみとなっています。
これは平年の10.6個と比べて、半分以下で、これまで最も少なかった2010年の6個を更新する最少記録となっています。2010年は年間の台風の発生数が14個と、過去最も少なくなりましたが、今年のこれまでの発生数16個は、今のところ、この2010年に次ぐ、2番目に少ない状態です。(台風の発生数の記録)
台風13号は関東中心に大雨
秋に発生した台風は極端に少なかったものの、大雨をもたらした台風もありました。沖縄の南で発生した台風13号は日本の南を北上し、東海沖で熱帯低気圧に変わったものの、その周辺の湿った空気などの影響により、特に千葉県から福島県にかけての太平洋側で線状降水帯が発生するなどして、記録的な大雨となりました。
ところがこの台風13号を含めて、西日本へ影響した台風はこの秋、ほとんどなく、また秋雨前線の活動も弱かったことなどが影響して、西日本の降水量は極端に少なくなっている所があります。
多雨傾向の予想が西日本では極端な少雨に
気象庁が8月22日に発表した3か月予報では、9月から11月までの降水量は、上図上のように、関東から九州にかけての太平洋側で多雨傾向が予想されていました。
ところが上述した通り、実際は台風や秋雨前線の影響が小さかったことなどが影響して、上図下にある通り、過去90日間の降水量は、多雨傾向と予想された関東以西で少雨傾向となり、特に台風の影響がほとんどなかった西日本では平年の50%以下の所も多く、瀬戸内側で30%にも満たないような極端な少雨傾向の所も出ている状態です。松山では過去90日間の降水量が67.0ミリで、平年のわずか20%となっています。
12月にかけても少雨傾向予想
極端な秋の少雨により、西日本では水不足となっている所もありますが、気象庁が先週発表した1か月予報では、関東から九州にかけての降水量は平年より少ない予想となっています。
12月はもともと降水量の少ない季節ですが、それに輪をかけるように少雨が続く予想となっていますので、当面、少雨を解消するようなまとまった降水は期待できないようです。