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住んでいる家は賃貸か持ち家か、そしてその入手手段は

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 日々の生活が営まれる住宅、そこは賃貸なのか持ち家なのか

生活を営む際に欠かせない衣食住の中でも、一番価値の高いのが住居。自分の所有物である持ち家に住む人もいれば、賃貸住宅で生活をしている人も多い。その実情を金融広報中央委員会の「知るぽると」が毎年調査・結果の公開をしている、「家計の金融行動に関する世論調査」の公開値から確認していく。

次に示すのは直近値となる2016年分における、単身世帯・二人以上世帯それぞれの、世帯主(単身世帯の場合は当然当人)の居住状況。仕切り分けは「自身購入持家」「相続・贈与持家」が持ち家、「親・親族に居候」が非持ち家で賃貸以外、「民間賃貸」「公団公営賃貸」「官舎社宅」が賃貸、「間借その他」「無回答」がその他。

↑ 住居の状態(単身世帯、2016年、世帯主年齢階層別)
↑ 住居の状態(単身世帯、2016年、世帯主年齢階層別)
↑ 住居の状態(二人以上世帯、2016年、世帯主年齢階層別)
↑ 住居の状態(二人以上世帯、2016年、世帯主年齢階層別)

青系統が持ち家、赤系統が賃貸その他を示している。大よそ単身・二人以上世帯共に、歳を経るほど持家率が高くなるのが分かる。年上になるに連れてその親も高齢化し、遺産相続などによって住宅を譲り受ける機会が増えるのが理由の一つ一つ、蓄財や年収の増加などに連れて住宅を所有できる余裕ができるのがもう一つの理由。他方、二人以上世帯の方が持ち家率が高いのは、家族を持つことによる持家の必要性の高まり、共働きで金銭的な余裕ができやすいこと、さらに単身世帯よりも住宅を相続されやすいことが理由として挙げられる。

また単身世帯では20代において11.7%の人が官舎社宅、つまり勤め先が用意した住宅に借り住まいをしている。家賃の優遇などの措置が取られているのが主な理由だが、同世代の二人以上世帯では8.0%に留まっている。結婚した世帯では社宅住まいは、比較的難しいところがあるのかもしれない。

単身世帯は60代の回答が上限だが、その年齢階層で比較すると、単身世帯では持家率は6割近くに留まっているが、二人以上世帯では8割強の値を示している。高齢単身世帯に賃貸住宅住まいの人が多い実態は、他の調査でも指摘されているが、今件でもそれが裏付けられた形となる。健康面でのリスク問題をはじめ、多方面で気になる話に違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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