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最強の第三寒波襲来へ、猛吹雪や大雪に厳戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雪や風の予想(ウェザーマップ)

最強の第三寒波襲来へ

上空1500メートル付近の寒気の解析値と予想値(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の寒気の解析値と予想値(ウェザーマップ)

日本列島に再び強烈な寒波が襲来しようとしています。

今季の目立った寒波という意味では、昨年12月半ばの第一波、年末の第二波、そして今回の第三波ということになりますが、今回の寒波がこの三波の内で最も強力な最強寒波の襲来となりそうです。

上空1500メートル付近の寒気の強さを、第一波、第二波の解析値、及び第三波の予想値でみてみると、いずれも西回り(西日本周り)で流れ込んできていますが、福岡や鳥取に流れ込む強さでみてみると、第一波は-9度ライン、第二波は-12度ライン、そして今回の第三波はこれよりもさらに強い-15度ラインの南下が予想されています。

図中の濃い青色表示でも分かりますが、これは厳冬期の今の平年値よりも10度前後も低い、まさに数年に一度レベル(あるいはそれ以上)の強烈な寒波の襲来ということが出来るでしょう。

海水温は低下傾向でも要警戒

第一波襲来時の海水温(気象庁)
第一波襲来時の海水温(気象庁)

第二波襲来時の海水温(気象庁)
第二波襲来時の海水温(気象庁)

第三波襲来へ向けた海水温(気象庁)
第三波襲来へ向けた海水温(気象庁)

昨年12月半ばの第一波襲来時には群馬県や新潟県の山沿いで24時間降雪量が100センチ以上に達するような記録的な大雪となり、関越自動車道では大規模な立ち往生の被害も発生しました。

この時、話題となったのが日本海の海水温の高さで、第一波襲来時をみると、暖かかった秋の影響もあり、平年より2度前後も高く、日本海中部でも15度前後あります。

この相対的に暖かな日本海から多量の水蒸気が蒸発し、活発な雪雲(雨雲)が発生して降水量がかなり多くなったのが記録的な大雪の一因でもありました。

その後、年末の第二波襲来を経て冷やされた結果、徐々に海水温は低下傾向(2度前後低下)となっていますが、それでも直近の1月4日ではまだ全体として平年よりやや高い値となっています。

海水温はやや下がりましたが、上空の寒気は今回の第三波が最も強いということで、やはり今回も記録的な大雪となる所があるかもしれません。

なかでも降雪量が増えそうなのが活発な雪雲の流れ込みやすい新潟県を中心とした北陸地方で、24時間の降雪量は最大で90センチが予想されており、これが国道などを直撃すると再び大規模な立ち往生などが発生するおそれもあり、厳重な警戒が必要です。

もちろん北陸だけではなく、西日本の平地でも積雪が予想されますので、雪の降る所では、週末9日(土)頃までは不要不急の外出はなるべく避けた方が無難かもしれません。

”爆弾低気圧”で猛吹雪に

雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)
雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

今回の第三寒波は大雪だけではなく、見通しがほとんどきかないような猛吹雪に厳重な警戒が必要です。その原因は寒気に伴って急速に発達する低気圧、いわゆる爆弾低気圧の存在です。

7日(木)は日本海で二つの低気圧が発生し、それが夜には津軽海峡付近で一つにまとまり、さらに発達する予想です。

急速に(急激に)発達するため、低気圧周辺では平均風速20メートル前後、最大瞬間風速30メートルから35メートル程度の暴風となる予想で、特に低気圧が通過し、寒波襲来とともに非常に強い北西風の吹き付ける東北の日本海側では見通しのほとんどきかないような猛吹雪に見舞われるおそれがあります。

青森県、秋田県、山形県を中心に7日(木)夕方から夜にかけて、急激に天候が悪化するおそれがありますので、厳重な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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