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南に熱帯低気圧が発生へ、3連休は大雨と大猛暑に厳戒

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
梅雨前線と低圧部の雲(ウェザーマップ)

東北で災害級の大雨のおそれ

72時間の予想降水量(ウェザーマップ
72時間の予想降水量(ウェザーマップ

タイトル画像にあるとおり、日本付近に梅雨前線が停滞し、引き続き、活動が活発となっています。梅雨前線は週末にかけて北上し、東北地方に到達するでしょう。

あす14日(金)にかけては北陸で再び大雨のおそれがあり、あさって15日(土)は東北日本海側で災害級の大雨のおそれがあります。特に秋田県付近では週末に300ミリ以上の降水量が計算されている所があり、雨の降り方に厳重な警戒が必要です。(気象庁の大雨情報

熱帯低気圧が発生へ

予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像でフィリピン付近にある赤い丸の中に低圧部が発生しています。低圧部とは雲の循環は認められるものの、その中心付近がはっきりとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がはっきり分かるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。熱帯低気圧からは台風が発生することが多々あるため、低圧部はいわば台風のもとになる種のような存在です。

気象庁の予想では、この低圧部はあす14日(金)午前9時までには熱帯低気圧に変わり、あさって15日(土)にかけてフィリピン北部付近を北上する見込みです。その後、気象庁からはまだ予想はありませんが、台風の勢力へ発達を見込む計算も少なくない状況です。

暖湿流を太平洋高気圧がブロックか

太平洋高気圧と降水量の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と降水量の予想(ウェザーマップ)

熱帯低気圧(あるいは台風?)の周辺に広がる暖湿流が沖縄から九州付近へ広がる懸念もありましたが、どうやら九州付近へは直接到達せずに、主体は東シナ海から朝鮮半島付近へ北上していきそうな予想となっています。それは勢力を強める太平洋高気圧が暖湿流(雨雲)をブロックするような形となるためです。

暖湿流は来週後半に北日本へ?

太平洋高気圧と降水量の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と降水量の予想(ウェザーマップ)

ただ太平洋高気圧は来週の後半にかけて勢力を落とし、徐々に南の海上へ退いていきそうで、それを回るように暖湿流が再び北陸や東北などを指向するおそれがあります。

3連休は40度超のおそれも

10日間予報(気象庁+ウェザーマップ)
10日間予報(気象庁+ウェザーマップ)

当面、3連休にかけて警戒が必要なのは、上述したとおり、北陸や東北の大雨なのですが、一方で東日本や西日本は梅雨明けとともに猛暑となるでしょう。

特に太平洋高気圧の位置関係から西風のフェーン現象が加わる関東甲信から東海地方にかけては、記録的な大猛暑となるおそれがあり、東京都心は38度、熊谷、名古屋では39度などが予想されています。気象庁が発表している最高気温の誤差幅の上限は、東京都心が40度、熊谷、名古屋は41度となっています。

もし高い方にずれ込むと、東京都心では観測史上初の40度以上、また熊谷、名古屋では日本の歴代記録(熊谷と浜松の41.1度)に匹敵する大猛暑となるかもしれんません。

3連休も大雨と猛暑に厳戒です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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