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堂々完結「ゴールデンカムイ」みんなで迎えた最終回の盛り上がり

小新井涼アニメウォッチャー
(筆者撮影)

週刊ヤングジャンプで連載されていた野田サトル氏のマンガ「ゴールデンカムイ」が、本日堂々の完結を迎えました。

本作はこれまでに数々のマンガ賞を受賞、アニメは第4期の放送を控え、様々なメディアミックスやコラボも行われるほどの大人気作です。

加えて早い段階から本日4月28日発売号での完結が予告されていたため、じりじりと高まっていた注目度も最高潮となり、SNSでも関連ワードが続々とトレンド入りを果たしていました。

そんな本日の盛り上がりを、改めて振り返ってみましょう。

※最終話の内容に関する重要なネタバレはございませんが、少しでも気になる方はご注意ください。

■日付変更と同時に

その類い稀ならぬ盛り上がりは、本日0時に始まりました。

日付変更と同時に、週刊ヤングジャンプの公式マンガアプリ「ヤンジャン!」が、アクセス過多の為繋がりにくい状態となったのです。

上記にもある通り、アプリでの最終回公開※は、本日午前10時と事前にアナウンスされてはいました。※最終回を含むラスト3回は本誌発売日10時公開とされていた

ですが通常でしたら日付変更と共にヤングジャンプ最新号の内容が更新されることもあり、最終回をいち早くみたいと思った人々により、0時からアクセスが集中してしまったようなのです。

確かにここしばらくは、最終回に向けて、毎週最新話公開と共に関連ワードがトレンド入りを果たすほどの盛り上がりをみせていました。

それでも今回のように、アクセス過多でアプリが繋がりにくくなったのは最終回が予告されて以降、筆者が知る限りでも初めて。

また、改めて公開が10時だと知り、待ちきれずに本誌を買いに走った方や、アプリでの公開までネット断ちを決意した人もいたようです。

そのことだけでも、どれだけ多くの人が最終回の公開を待っていたのか、その注目度の高さが窺えます。

そうしていち早く完結を見届けようという人が殺到したのか、本作が表紙を飾り、連載完結付録もついた本誌が品薄となる場所もあったようです。

アプリ版での最終回読後に、改めて本誌も欲しい!と思い探したところ、なかなか見つからなくて何軒もハシゴをした、という人も少なくなかったのではないでしょうか。

■みんなで迎えたフィナーレ

こうして多くの人が共に完結を迎え、これほどの盛り上がりを産んだ背景には、本作がそれだけ人気であることはもちろん、そのための豪華な準備があったことも、特筆すべきでしょう。

特に大きな反響を生んだのは、最終回が予告されてから2度に渡り、長期間行われてきた本作の全話無料公開です。

作品の無料公開自体は、マンガアプリも普及した昨今、それほど珍しいことではありません。

ただこれだけ長期間、これほどの話数が、2度に渡って公開されることはなかなか例がなく、それほどまでに物語の終わりをみんなで迎えたい、という気迫が伝わるその内容に、人々の間でも大いに話題となりました。

この2度の無料期間中に最新話まで追いついて、共にクライマックスを迎えた単行本派の方、完全に新規で読み始めたという方も少なくなかったようです。

こうした大きな途中合流もあり、これだけ多くの人々が物語の終わりを共に迎えるということが、本日実現したのだと思います。

最終回で盛り上がったのはいいとして、全話無料で読めてしまってはこの後単行本を買う人が減ってしまうのではないだろうかと思う人もいるかもしれません。

しかし本作は、単行本化の際に雑誌掲載時のものから様々な加筆が加えられることで有名なのもあり、無料で読めたから単行本はいいかと思う人はそこまで多くないと思われます。

むしろ、今回初めて本作に触れた人の中には、無料公開を通してその面白さを知り、感動のフィナーレを一緒に迎えたことで、『単行本もこれから全部集める!』というくらい、本作に夢中になったという方も少なくないはず。

完結に向け最高潮に高まってきたこの熱量。単行本発売をはじめとする今後の展開もあり、まだまだ収束することはなさそうです。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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