市川は八幡の通称アーデル通り。本八幡と交差するニッケコルトンプラザ通りを市川方面に抜けて数分。うっかりすると見落としてしまいそうな一角に、のり巻き・いなり寿司専門店「猿松（えんしょう）」はあります。

他ならぬ筆者ももちろん江戸前の寿司は好物ですが、寿司と名の付くものでは実はいなり寿司が大好物。ひたひたの甘いお揚げにくるまれた酢飯。何個でもいける元祖ファストフードは折々で「やっぱりいいなぁ」と気づかせてくれる存在なのです。

さて、今回は古くからの庶民の味方、のり巻きといなり寿司を作り続けて50年。市川八幡の猿松をご紹介。営業時間が6:30～12:30と、とことん朝方もあって、午後だと気づかず通り過ぎている方々もきっと多いと思います。本八幡側からでないと、看板しか認識（意識している前提）できないし、駐車場もないので本当に見落としてしまいます。車の場合は、近隣のコインパーキングに停めることをお勧めします。

それでは、店内に入ってみましょう。ショーケースが和菓子店を思い浮かべさせてくれるような整然とした佇まい。のり巻きはかんぴょうと太巻き。そしていなり寿司。他に見渡すと梅干しと赤飯。赤飯は人気商品ですよとお店の方の弁。

基本はのり巻きといなり寿司の複合セットの詰め合わせがメイン。それらの量が違う組み合わせというストロングスタイル。詰め合わせ小（370円）は、のり巻き6つ、いなり寿司2つ。一人だったら十分の量。いなり寿司は、軽く二口でいける女性にもちょうど良いサイズ。そして少しのガリ。太巻き入りも捨てがたい・・・。

華やかなアレンジや映えることは決してないけれど、見よこのまっすぐさ。飾り気なし。派手さなし。シンプルにして実直。その優しい味は毎日食べても飽きのこないことこの上なし。歴史と伝統と貫き続けてきたその一途な想いが、小さなパッケージのなかからしっかりと伝わってきて、一口一口かみしめずにはいられません。市川の片隅でのり巻きといなり寿司を作り続けて半世紀。

さあ、早起きをして出かけよう！

【猿松】
住所：市川市八幡4-18-26
電話：047-336-0366
営業時間：6:30～12:30
休み：月曜