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【大津市】築90年以上の町家でアンティーク着物販売を通じ着物文化の良さを広める女性店主さんを徹底取材

Sari地域情報発信クリエイター・エシカルコンシェルジュ(大津市)

こんにちは、Sariです!今回は素敵なアンティーク着物ショップとその女性店主さんのご紹介です。

kimono tento

大津市中央、丸屋町商店街の入り口そばにある「kimono tento」さん。

アンティークやユーズドの着物や帯、作家さんの小物などを扱うセレクトショップです。

築90年以上の町家をリノベーションして作られた店内には、可愛い柄の着物や帯がいっぱい。シックなものからカラフルなものまで、さまざまなテイストのアイテムが揃っています。

作家さんの可愛い小物もたくさん
作家さんの可愛い小物もたくさん

オープンの道のり

店主の泉陽香さんは、学生の頃に祖母から譲り受けた着物の美しさに魅了され、自分でも着物を着ることに喜びを感じました。しかし、当初は着物の仕事をするつもりはなく、一般企業で働いていたと言います。仕事が合わずに退職を決意し、その時に自分の本当にやりたいことを見つけようと考えた陽香さんは、着物カフェという夢を描き始めます。

お店にはメンズの着物も
お店にはメンズの着物も

名古屋のレトロな商店街で着物カフェを開くことを目指してアルバイトをしながら古民家カフェやリサイクル着物店などで修行を重ねた後、結婚して2010年に滋賀県の唐崎に移住。古物商の旦那さんが営んでいた倉庫のようなお店で着物ビジネスを細々とスタートします。泥とホコリにまみれた空間を掃除し、イベント出店で知名度を上げながら、少しずつお店を成長させていきました。

そして2017年に今の場所にお店を移転。町家をリノベーションしたお店には、イベント出店などで知り合ったお客さんを始め、徐々に認知が広がっています。

着付けや撮影をする空間も。町家の素敵な雰囲気にあふれている
着付けや撮影をする空間も。町家の素敵な雰囲気にあふれている

着物への熱い想い

アンティーク着物やリサイクル着物に親しみを持ってもらうために、陽香さんは特に価格設定にも配慮しています。着物は特別なものというイメージが強く、価格も高いことが一般的ですが、陽香さんは「学生でも手に取りやすい価格」を目指して、店舗販売では半数以上を1万円以下のものにして多くの人に気軽に着物を楽しんでもらえるように工夫しています。

新年の初売りSALEの時はスタッフみんないつもより華やかに装います
新年の初売りSALEの時はスタッフみんないつもより華やかに装います

アンティーク着物の良さは、現代の服にはない独特で大胆な色柄や、今では作れないような柔らかで繊細な生地の風合いにあると言います。「色や柄を重ねる楽しさ、上質なシルクを纏う心地よさは格別。さらに今はリサイクルやアンティークの着物ならお洋服と変わらない値段で手に入るんです!」こうした魅力を伝えることで、「着物をもっと普段のファッションとして身近に感じて楽しんでほしい」という思いが、陽香さんの活動の原動力です。


振袖や訪問着など特別な日に着るものもリサイクルなら気軽に一式揃えられるのはもちろん、洋服で言うとワンピースやGパンTシャツ感覚で着られる小紋や紬というジャンルの着物もあり、

「サザエさんに出てくるフネさんのように日常でサラリと着たい!と着物を始められるお客さまもいらっしゃるんですよ」と陽香さん。昭和初期には女性は着物を普段着として当たり前に着ていて、当時の着物が今アンティーク着物となり、素敵なものが沢山あるとおっしゃいます。

「私は体型的に洋服より着物の方が似合うんです。着物に出会って前より自分を好きになれた。同じような想いを持っている方にぜひ着物に挑戦してもらいたい。着物は着るだけで気分が揚がり、女子力もあがる魔法の衣服だと私は思っています。今は優しい先生の着付け教室や、習いに行かなくても動画などで丁寧に着付けを教えているものも沢山あるので、とにかく着てみて欲しい。何もわからなくてもお店に来てもらえれば教えますし、着物に関する相談にもとことん乗ります。ワンピースを選ぶ感覚で、気軽に着物を取り入れて行って欲しいです。」(陽香さん)

古き良きものを大事にする陽香さんの想いにはとても共感がもてました。

今後の予定

現在では、店頭での販売に加えてウェブショップも運営したり、東京や横浜、京都でも出張販売されたりするなど、精力的に活動される陽香さん。今月のスケジュールは以下の通りです。

【11月の店舗営業日】

9(土)・10(日)・15(金)・16(土)・17(日)・30(土) 12:00~18:00

【イベント出店】

京都 今昔きもの大市
11/22(金). 23(土). 24(日)
11:00 − 18:00(最終日17:00まで)
場所:京都文化博物館 別館

まとめ

着物は昔から大事に扱われてきました。着物として着れなくなっても、長襦袢などに作り変え、それも着れなくなっても「裂き織り」という布の最終形態があり、細く裂いて帯や敷物にしていたと陽香さんに教えていただきました。今で言う3Rを当たり前にやっていたのです。素晴らしい時代だったんだなと思い、今こそその時代の良き文化を再び見直す時が来ていると感じました。

私もそうですが、「着物に興味はあるけど何となく敷居が高い」と思っている方は多いと思います。そんな方にこそ、気軽にkimono tentoさんを訪れてみて欲しいと思います。

お店の情報

[店名]kimono tento

[場所]滋賀県大津市中央1丁目2-38

[電話番号]077-532-2190

[営業時間]12:00〜18:00

[定休日]不定休

[駐車場]お店の前に1台あり

[SNS]ホームページInstagram

地域情報発信クリエイター・エシカルコンシェルジュ(大津市)

幼少から滋賀県大津市で育ち、二人の子供も大津で育て、子育て終了と共にこれからは多くの人に大津の魅力を伝えようと活動中。エシカルをライフワークに、こちらでは大津のエシカルなお店や人も紹介します。滋賀のローカルメディアLOMOREグルメライターの顔ももちます。グルメのInstagramアカウントは @sari_heart77 こちらもよろしくお願いします!

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