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打率.310未満の首位打者たち。今年のパ・リーグも!? トップ2は打率.307の柳田悠岐と頓宮裕真

宇根夏樹ベースボール・ライター
吉岡悟 1977(写真:岡沢克郎/アフロ)

 今シーズン、打率.333の宮﨑敏郎(横浜DeNAベイスターズ)を除くと、打率.310以上の選手は、セ・リーグにもパ・リーグにもいない(9月13日時点)。セ・リーグの2位は、打率.309の西川龍馬(広島東洋カープ)。パ・リーグのトップ2は、打率.307の柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)と打率.307の頓宮裕真(オリックス・バファローズ)だ。

 柳田と頓宮の打率は、柳田がわずかに上。各リーグの3位には、どちらも打率.300のドミンゴ・サンタナ(東京ヤクルト・スワローズ)と近藤健介(福岡ソフトバンク)――厳密にはまったく同じ打率ではない――が位置している。

 2リーグ制となった1950年以降、打率.310未満の首位打者は、各リーグに1人ずつ。セ・リーグは1962年に打率.307の森永勝治、パ・リーグは1976年に打率.309の吉岡悟がそうだ。今シーズンのパ・リーグには、1950年以降、最も打率の低い首位打者が誕生するかもしれない。現在の打率ランキングに名前なく、これから登場しそうな「隠れ首位打者」は、見当たらない。

 ちなみに、セ・リーグ史上2番目に打率が低い首位打者は、2011年に打率.316の長野久義(当時・読売ジャイアンツ/現・読売)。パ・リーグは、2012年に打率.312の角中勝也(千葉ロッテ)だ。

 一方、現時点のセ・リーグのように、打率.310以上がリーグに1人だけのシーズンは、見落としがなければ、セ・リーグが6度、パ・リーグは5度。計11度を数える。

 直近は、2021年のパ・リーグだ。首位打者の吉田正尚(当時オリックス/現ボストン・レッドソックス)が打率.339、2位の森友哉(当時・埼玉西武ライオンズ/現オリックス)は打率.309を記録した。

 また、セ・リーグでは、首位打者以外はいずれも打率.300未満のシーズンが4度ある。森永が首位打者の1962年と、1959年、1970年、1971年だ。1959年の首位打者は、打率.334の長嶋茂雄が獲得した。1970年の首位打者は打率.325の王貞治、1971年は打率.320の長嶋だ。

 1976年のパ・リーグは、打率.310以上こそ皆無ながら、打率.300以上は首位打者の吉岡以外に3人いた。藤原満が打率.302、門田博光が打率.300、加藤秀司はジャスト打率.300を記録した。

 なお、今シーズンのパ・リーグに誕生するかもしれない、30本塁打未満の本塁打王と90打点未満の打点王については、こちらで書いた。

「今年のパ・リーグもそうなるのか。30本塁打未満で本塁打王を獲得した選手たち。過去60年は2人だけ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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