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現役続行に意欲?!アルバート・プホルスが母国ドミニカのウィンターリーグに初参戦へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
41歳で母国ウィンターリーグに初参戦するアルバート・プホルス選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【プホルス選手がドミニカ冬季リーグに初参戦】

MLB公式サイトが現地時間の10月28日に報じたところによると、今オフにFAになる41歳のアルバート・プホルス選手が、母国ドミニカのウィンターリーグ傘下のヒガンテス・デル・シバオからレオネス・デル・エスコヒードにトレードされ、この冬は同リーグに初参戦する予定だという。

 プホルス選手は2002年に同リーグが採用した新人ドラフト制度で、全体の1位でシバオから指名を受けていたが、当時はすでにカージナルスで主力として活躍していたこともあり、一度も同リーグに参加していなかった。

 今回の記事には、トレードされたエスコヒードのユニフォームを着たプホルス選手の写真が掲載されており、彼が同リーグに参戦するのはほぼ確実のようだ。

 ちなみにエスコヒードは、かつて筒香嘉智選手が武者修行でウィンターリーグに参戦した際に所属していたチームで、プホルス選手の出身地である首都サントドミンゴを本拠地にしている。

【シーズン開幕前に夫人が今季限りの引退を示唆】

 プホルス選手といえば、今シーズン限りでエンジェルスとの大型契約が終了することから、スプリングトレーニング中からその去就が注目されていた。

 そんな中、プホルス夫人が「夫は今シーズン限りで現役引退するつもりだ」と発言したことでメディアは騒然となったが、プホルス選手本人は「まだ何も決まっていない」と話し、去就について明言を避けていた。

 いざシーズンが開幕すると、プホルス選手を取り巻く環境は厳しいものになっていった。

 大谷翔平選手が二刀流としてフル稼働することになり、プホルス選手がDHとして出場できる機会が奪われるようになった。さらに開幕から好調だったジャレッド・ウォルシュ選手に定位置を与えるため、エンジェルスは5月の段階で打率.198と低迷していたプホルス選手を40人枠下から外す(いわゆるDFA)決断を下した。

 その後ウェーバーをクリアしたプホルス選手はそのままエンジェルスを離れFAになったが、その当時は新たな所属先が見つかったとしてもマイナー契約になるだろうという見方が強かった。

【ドジャース移籍後息を吹き返したプホルス選手】

 そんな大方の予想を裏切り、シーズン開幕からケガ人続出のドジャースがメジャー契約でプホルス選手を迎え入れた。

 だがMLB屈指の選手層を誇るドジャースだけに、ケガ人が復帰してくれば、余剰選手は弾き出されることになる。ある程度の活躍をしなければ、再びドジャースから解雇される可能性があった。

 それはプホルス選手とほぼ同時期にドジャースにやって来た、筒香選手の例を見れば明らかだろう。

 そんな窮地をはね除けて、プホルス選手は踏ん張った。主に左腕投手が先発した際の一塁手として、さらに貴重な代打要員として85試合に出場。打率.254、12本塁打、38打点の成績を残し、ポストシーズンに入ってもほぼ全試合で出場を果たすなど、最後までシーズンを全うした。

【来季の契約を目指しベテラン選手たちも多数参加】

 ドミニカのウィンターリーグはベネズエラやプエルトリコ同様に、MLB各チームのスカウトが集結し、選手たちの動向を調査する場として活用されている。

 そのため翌シーズンの契約が決まっていないベテラン選手たちも参戦するケースが多く、過去には野茂英雄投手や吉井理人投手らもウィンターリーグに参戦している。

 まだプホルス選手が去就について明らかにしているわけではないが、ウィンターリーグに初参戦するということだけで、現役続行に意欲を示していると考えていいのではないだろうか。

 果たしてプホルス選手は、来シーズンもユニフォームを着てMLBのグラウンドに立っているのだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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