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ウクライナ軍、ビデオゲームのリモコンでマシンガン発射:兵士の人間の安全保障を確保

佐藤仁学術研究員・著述家
(AirPower提供)

ウクライナではビデオゲームのリモコンで操縦して発射するマシンガンを2015年からクラウドファンディングで資金を集めて開発していた。ロシア軍がクリミア半島に侵攻した2014年の翌年である。現在のウクライナ紛争でも活用されており、ビデオゲームのリモコンで操縦したマシンガンでロシア軍を攻撃している。その様子を米国のメディアAirPowerが報じていた。

ドローンやミサイルなどは基本的にリモート(遠隔)で操作して攻撃を行う兵器だが、マシンガンや携帯型地対空ミサイルは人間の兵士が手に持って敵軍を目視して発射する。だが、マシンガンや携帯型地対空ミサイルを所有している兵士が攻撃の標的にされて殺傷されやすい。

固定されたマシンガンを遠隔からビデオゲームのリモコンで操作して発射すれば、人間の兵士の安全保障は確保されるようになる。またビデオゲームのリモコンなので操作も簡単である。実際の重たいマシンガンを持つわけではないから高齢の兵士でも操作できる。

メディアで紹介されていたマシンガンは固定式なのでロシア軍が近くの至近距離に来ないと発射することはできない。固定式なのでミサイルなどで攻撃をされて破壊されやすい。また固定式マシンガンの近くにリモコンを操縦している兵士がいると想定されるので、マシンガンの周辺に大規模な攻撃や奇襲をされる危険性もある。

マシンガンの発射は遠隔地からリモコンで操作できるが、銃弾をマシンガンに搭載するためには人間の兵士が出向いていき、マシンガンに搭載する必要がある。銃弾を搭載している時に敵軍からミサイルやドローンなどで攻撃されてマシンガンが破壊されるだけでなく、人間の兵士が殺傷される恐れもある。

ウクライナ軍はリモート操作で動くマシンガンも開発しており、動くマシンガンはマシンガンの方からロシア軍に向かっていき攻撃することができる。

▼ウクライナ軍のビデオゲームのリモコンでマシンガン操縦を伝える米国メディア

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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