『計画運休シフト』で試される会社のIT総合力 リクルーティングにも効果あり?
KNNポール神田です。
まず、最初に、この時間でもJRの入場制限で蒸し暑い中、駅にさえ入場できない皆様にお悔やみ申し上げます。
■高田馬場駅では駅に入場さえできない入場規制
「午前9時頃再開のニュースを見て、駅にきたらこの大行列でおどろきました…。タクシー代金も経費で出ないので、並んで待つしかありません。基本、土日の連絡はコンプライアンス的にアウトなので月曜日、9時出社の時間で動いています」と語るのは大崎勤務のサラリーマンAさん(45歳)。「まさかこんなに待たされて、会社に行けないとは…」渋谷勤務のOL 。「イラついているので聞かないでくれますか!」と怒り出す20代まで。
JR山手線の数分おきの列車は、超満員で動くたびに数人づつ駅へ入場できる。この分では、午前中の出社はほぼ無理だ。しかし、会社へ行かなければならない人は、蒸し暑い中でも並び続ける。通常は秒単位で運行するJRが数十分に一度なのでとてもじゃないがさばききれない。会社側は、『計画運休シフト』を発令し、3時間後の出社や、サテライトオフィスやテレカンファレンスなどをなぜ奬められないのか?
■会社はなぜ、『計画運休シフト』をおこなわないのか?
ほとんどの会社は、月曜日の朝は『会議』ではじまる。つまり、社内での行事だ。メンバーが集まらなければ会議にならない。そもそも、昨日の時点で台風15号の影響でJRの『計画運休』は発表されている。そこで8時以降でしか電車は動かないことは日曜日の時点でわかっている。本当はそこで判断すべき人が、出社の指示を送れるはずだ。
日本の会社は合議制で動いている。そして、コンプライアンス的にも土日は社内メールを見させないという管理体制がある会社もある。つまり、日曜日の台風の時点で会議で決議し、それを知らしめる必要があるが不可能なのだ。しかし、月曜日の早朝でも権限のある人同士が、6時から結論を決めて、7時に本日の業務は現在のところ14時からなどと指示することはできたはずだ。もしくは、出社さずとも、家庭や近場のコワーキングやサテライトで業務を推進することができれば…?
日本のGDPが伸びないひとつの理由は、非効率な業務が多いことがいえる。得に、このような個人のミスでも社会のミスでもない、自然災害大国ニッポンにおける可視化されているリスクのひとつである台風の場合は、交通機関がマヒしている時点で、企業のリーダーたちは、集まることの無意味さを判断しなければならない。何がなんでも駆けつけるという昭和的なモチベーションは現在は必要とされていない。駅で1時間も2時間も何もせずに、ただ、スマホを見るしかないのは極めて非効率すぎる。
今からでも、会社のリーダーたちは、一旦、行列から離れ、会社の連絡を待つよう指示すべきだ。少なくとも、ランチを早めにとってくださいというだけでもストレスは軽減されるはずだ。
■テレカンファレンスの導入のチャンス
日常から、テレカンファレンスを導入できていれば、自宅で会議に参加し、自己管理して仕事をすすめるということも可能だ。子供の世話をすることも可能だ。日常と違う会議の場に、改めて会社としての働き方の改革案も浮かぶことだろう。このような『計画運休』の時こそ、在宅勤務を奨励する会社であれば、リクルーティングの時にも学生たちは、社員想いの会社として認識することだろう。
人が移動することは実はコストに大きく跳ね返る。人が集まり、土地の高い会社で会議することは高コストだ。しかし、会社は、販売費および一般管理費というサブスクリプション契約で雇用しているのでそのコストはかかって当然という意識でしかない。しかし、ここのコストではなく質を見直すことによって、一気に働き方改革ははじまる。
まずは、自然災害や社会的な不可抗力で、出社が難しい場合を社内ルールで、テレカンファレンスなどで代用する仕組みを作っておくべきだろう。もちろん、リスケジュールも柔軟にできる体制を作っておくことも大事だ。
会社にとって一番大事なものは社員であるからだ。