ダルビッシュ、雄星、沢村はオールスターに選ばれるか? 日本人メジャーリーガーの球宴出場を占う
ファン投票によって大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の初出場が確定した今年のMLBオールスターゲーム。ファン投票によって選ばれた投手を除く両リーグの先発選手はすでに発表されており、投手と控え野手は明日、7月4日(日本時間5日)に発表となる。
日本のファンにとって気になるのは、大谷に続く日本人選手が選ばれるのか、どうかだ。
オールスターゲームに選ばれるのは、基本的に各リーグから32選手。12人が投手で、野手は20人となる。
ファン投票の対象からは投手は除かれ、アメリカン・リーグは指名打者を含めた9選手、ナショナル・リーグは8選手が選ばれる。
続いて、選手間投票により、ア・リーグは9人、ナ・リーグは8人の野手が選ばれる。各ポジションで選手間投票で1位だった選手がファン投票でも1位だった場合には、選手間投票2位の選手が繰り上がり選出となる。選手間投票では各リーグ8人の投手も選ばれるが、その内訳は先発投手が5人、リリーフ投手が3人となる。
ファン投票と選手間投票で、ア・リーグは18人の野手と8人の投手、ナ・リーグは16人の野手と8人の投手が決まるが、最後はMLBコミッショナー事務局がア・リーグ6選手(投手4人、野手2人)、ナ・リーグ8選手(投手4人、野手4人)を選ぶ。
コミッショナー事務局が選手を選ぶ際には、各チームから最低1人の選手を選ぶというルールに注意をしなければならない。
これで各リーグ32人のオールスター選手が決まったが、最後の仕上げはケガで欠場する選手と、登板間隔の理由でオールスターゲームで登板できない投手の代替選手を選ぶことだ。
ファン投票で選ばれた選手の中では、ア・リーグの外野手部門で選出されたマイク・トラウト(エンゼルス)の欠場が確定している。
今年のオールスターゲームは、7月13日(日本時間14日)にコロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで開催されるが、前半戦最終日の7月11日(日本時間12日)に先発登板した投手は、基本的にはオールスターゲームで投げることができずに、代替投手が選ばれる。
以上の選出ルールを踏まえた上で、日本人メジャーリーガーたちがオールスターに選ばれる可能性を探ってみたい。(成績は現地7月3日時点のもの)
ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス、先発投手)
2021年成績:7勝3敗、防御率2.65、102.0投球回数 123奪三振、WHIP0.95、被打率.198
これまでに4度、メジャーリーグの球宴に選ばれているダルビッシュだが、最後に選ばれたのはテキサス・レンジャーズに所属していた2017年のこと。今季は4年ぶり5度目となるオールスター選出の可能性が高い。
7勝はリーグ10位タイで、防御率は13位だが、奪三振数は6位。選手からの評価が高いので、選手間投票で先発部門5位以内に入りそうだ。
選出確率:85%
菊池雄星(シアトル・マリナーズ、先発投手)
2021年成績:6勝3敗、防御率3.18、93.1投球回数、93奪三振、WHIP1.03、被打率.195
メジャー3年目にしてようやく才能を開花させた菊池。勝ち星はリーグ15位タイと伸びていないが、防御率はリーグ8位にランクイン。クオリティースタート11回はリーグ3位タイと抜群の安定感を誇り、マリナーズのスコット・サーバイス監督は「オールスターのマウンドに上がる資格を持っている」と菊池の球宴出場を後押しする。
菊池にとって鍵となるのが、各チームから最低1選手が出場するというルール。マリナーズの選手の中で、オールスター出場候補に挙げられるのは18本塁打のミッチ・ハニガー、チーム1位の3.1rWARを記録しているJPクロフォードの2選手くらいしかいない。ア・リーグのショートはボー・ビシェット(トロント・ブルージェイズ)とカルロス・コレア(ヒューストン・アストロズ)がクロフォードよりも良い成績を残しているので、クロフォードの選出はまずない。菊池かハニガーの二択となり、その確率はほぼ同じ。
仮にコミッショナー事務局が菊池ではなくハニガーを選んだとしても、オールスターに選手されそうなオークランド・アスレチックスのクリス・バシットが7月11日に先発する可能性があり、そうなるとオールスターゲームで投げられなくなる。7月4日に菊池の名前が発表されなくても、代替投手として選ばれそうだ。
選出確率:70%
前田健太(ミネソタ・ツインズ、先発投手)
2021年成績:3勝3敗、防御率5.56、56.2投球回数、54奪三振、WHIP1.55、被打率.294
昨季は6勝1敗、防御率2.70、WHIP0.75、被打率.168とリーグ屈指のパフォーマンスを見せたマエケンだが、今季は右内転筋や右上腕のケガなどもあり別人かのように打たれている。WHIPは昨年よりも倍以上悪化しており、被打率.294は50イニング以上投げている投手の中ではリーグ・ワースト6位。
ツインズの先発投手で選ばれるとすれば、7勝2敗、防御率3.52のホゼ・ベリオスになるが、ベリオスでもオールスター選出からは漏れそうだ。
マエケンにはオールスターの期間中にしっかりと休んで、心と身体をリフレッシュして、後半戦こそ昨季のような見事な投球をしてもらいたい。
選出確率:1%
有原航平(テキサス・レンジャーズ、先発投手)
2021年成績:2勝3敗、防御率6.59、28.2投球回数、17奪三振、WHIP1.53、被打率.286
5月8日に故障者リストに入りを、5月27日の右肩動脈瘤の手術を受けた有原は順調に回復しており、7月1日には自身のツイッター・アカウントにキャッチボールをする様子をアップ。復帰は術後12週間以降と言われており、8月半ば過ぎの復帰を目指してリハビリに励んでいる。
選出確率:0%
沢村拓一(ボストン・レッドソックス、リリーフ投手)
2021年成績:4勝0敗0S4H、防御率2.48、31登板、32.2投球回数、40奪三振、WHIP1.32、被打率.207
メジャー移籍1年目の前半戦は合格点の働きをしている沢村だが、オールスターに選ばれるには物足りない。
レッドソックスのブルペンでは守護神のマット・バーンズがリーグ2位の18セーブを挙げており、球宴選出が有力視されている。ホールド数でもアダム・オッタビーノはリーグ・トップとなる15ホールドを記録しており、チーム内に二桁ホールドを挙げている投手が3人もいる。
選出確率:2%
秋山翔吾(シンシナティ・レッズ、外野手)
2021年成績:43試合、17安打、0本塁打、6打点、7得点、1盗塁、打率.218、出塁率.282、長打率.256、OPS.539
キャンプ中のケガで出遅れ、戦列復帰は開幕から1ヶ月以上経った5月7日。だが、復帰後も出番には恵まれず、先発出場したのはわずか12試合と我慢の日々を過ごしている。
レッズは右翼手のニック・カステヤーノスが打率.340でリーグ・トップ。左翼手のジェシー・ウィンカーも打率.314、19本塁打と絶好調。この2人はファン投票でオールスターの先発に選ばれている。
選出確率:0.1%
筒香嘉智(ロサンゼルス・ドジャース、外野手)
2021年成績:12試合、3安打、0本塁打、2打点、2得点、0盗塁、打率.120、出塁率.290、長打率.256、OPS.410
5月15日にタンパベイ・レイズからドジャースへ移籍してきた筒香だが、環境を変えても結果を出すことはできずに、6月9日には故障者リストに入れられ、17日からはマイナーリーグの3A、オクラホマシティでリハビリという名目で試合に出ている。
ただ、3Aでも13試合で3本のホームランは打っているが、打率は.120、OPSも.524と結果を残せていない。
選出確率:0.01%