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陛下と雅子さま そして女性皇族たちがめぐり逢った運命の恋 佳子さま、愛子さまの未来は?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
上皇ご夫妻・両陛下・秋篠宮ご夫妻と眞子さん(写真:ロイター/アフロ)

 去年、世間を騒がせた眞子さんのご結婚に限らず、皇室の方々のご結婚にはさまざまなハードルがあり、ゴールインするまでに幾つもの壁が待ち受けている。

 皇室の方々のご結婚をめぐるニュースはいつの世も関心事であったが、ネット社会になりSNSで瞬く間に情報が拡散する現代においては、そのハードルがより高いものになっているように思える。

 ご結婚に関して想像以上の苦労が待ち受けているのは、皇室に生まれ民間へ嫁ぐ場合も、民間から皇室に入る場合も同じだ。

 ご結婚に至るまでには、最初の出会いがあり、一定期間の交際を経て、共に家庭を築こうという流れとなるわけだが、そもそも皇室の方々はどのようにして結婚相手とめぐり逢っているのだろうか?

 皇室の方々の「結婚相手との初めての出会い」を探ってみた。

◆皇室に嫁がれた方々―上皇后美智子さま・皇后雅子さま・秋篠宮妃紀子さま

 ドラマティックな出会いとして有名なのは、「テニスコートの恋」と言われた上皇さまと美智子さまである。

 1957年(昭和32年)8月19日、軽井沢会主催のテニス大会「A.B.C.D.トーナメント」で対戦し、勝敗は美智子さまペアが上皇さまペアを負かすという、まさかの展開となったが、これが運命の出会いとなった。

 この日初めて会った美智子さまのテニスに取り組むまっすぐな姿勢が、上皇さまの心に好ましい印象として残られたのであろう。その後、交際へと発展し、世紀のご成婚に繋がっていく。

 趣味のテニスを通した、偶然ともいえる出会いが、お二人の縁を結び付けたのだった。

 皇后雅子さまは、1986年(昭和61年)10月18日、赤坂御所で催されたスペインのエレナ王女歓迎レセプションが、天皇陛下との初対面であった。この時、雅子さまは難関の外交官試験を合格したばかりで、これから外交官として世界で活躍しようと希望を抱いていらっしゃった。

 陛下は雅子さまの第一印象について、「聡明で話題にも共通性があってお互いに心が通じ合うという感じを強く持ちました。話をしていて楽しい人」と語られている。

 雅子さまも「(陛下に会った)最初の時は、大変緊張してご挨拶申し上げたんですが、その後は意外なほど話が弾みました。とても気さくで、かつ配慮のある方だと思いました」と話されており、初めて出会われた時から、お互いに好印象を持ったことが分かる。

 その後、ご結婚するまでには7年かかることになるのだが、外国の賓客の歓迎レセプションという、皇室に関連した行事が出会いのきっかけとなった。

 秋篠宮妃紀子さまはというと、当時「キャンパスの恋」と呼ばれたとおり、秋篠宮さまは学習院大学の1年先輩であった。

 初めて出会った場所も、秋篠宮さまが大学2年の4月、学習院大学構内の本屋だった。紀子さまの父・同大学の川嶋辰彦教授を知っていた秋篠宮さまは、「非常にお父様の話し方と似ているな」とお感じになり、紀子さまのほうも秋篠宮さまが友達と話している姿を見て、「思ったより気さくな方」という印象を受けられたという。

お二人は学内のサークル「自然文化研究会」で活動し、学生恋愛を実らせて結婚された。

◆皇室から嫁がれた方々―黒田清子さん、小室眞子さん、千家典子さん、守谷絢子さん

 一方、皇室に生まれ育ち、結婚により民間人となって一般で暮らすようになった女性たちは、大学時代の同級生と結婚した眞子さんを除き、ご家族の紹介によるケースが多い。

 上皇ご夫妻の長女・清子さんが36歳の時に結婚したのは、秋篠宮さまのご学友・黒田慶樹さんだった。黒田さんと初めて会ったのは清子さんがまだ小学生の頃で、「お背が高くていつもまじめなお顔をしていらっしゃる方」という印象を強く持っていたという。

 しばらくぶりに秋篠宮さまのご紹介で二人は再会し、結婚についての意識が深まっていったという。

 高円宮家の次女・典子さんが結婚したのは、以前からお互いの両親が懇意にしていた、出雲大社の権宮司・千家国麿さん。典子さまが大学生の時、母・久子さまから紹介されたことが結婚に繋がるきっかけとなった。

 妹である三女・絢子さんも、母・久子さまの紹介により、親同士の交流があった守谷慧さんと出会った。

 もともと家族ぐるみのお付き合いがあるので、お相手の人となりも理解しており、ご家族が縁を結んだといえるであろう。

 こうして見てみると、佳子さまや愛子さまはご結婚相手と、どのようにして知り合われるのか、気になるところである。

 佳子さまは将来のご結婚相手とすでに出会っているのかどうか、週刊誌などでは頻繁に取り上げられているものの、本当のところは不明だ。

 そして愛子さまは現在、大学生であるが、オンラインで授業を受けられており、新たに異性と知り合う機会はほとんどないだろう。まだ先の話かもしれないが、良い出会いが訪れることを願ってやまない。

 ただ出会いがあっても、その後の交際が自由にできるわけではない。

 上皇さまと美智子さまの場合は、お二人の間を取り持つ友人がおり、電話連絡ではあったが、わりと心を通わせる密なコミュニケーションがとられていたという。

 大っぴらに原宿や渋谷でデートこそできないものの、今やスカイプやZoomといったオンラインでのデートは、誰にも知られずに行うことは可能だ。

 もしかしたら皇室の女性方の出会いの場も、これからはオンラインになるかもしれない。

「雅子さま3年ぶりの赤十字大会 “お飾り”ではない、社会活動における女性皇族の存在感」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20220525-00297552

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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