【大阪市東住吉区】駒川の回転寿司店「寿し太郎」閉店へ 創業40年も物価高騰で 店長「年末まで全力で」
大阪市東住吉区駒川5の回転寿司店「寿し太郎」が、今年12月31日をもって閉店すると発表しました。
11月で開店40周年を迎えるメモリアルイヤーに電撃的な閉店発表。しかし、それには「物価高騰」という、とてつもなく大きな影響があったそうです。店長と奥さんにお話を聞きました。
【関連リンク】2024年7月に投稿した際の「寿し太郎」
「いやあ、もう閉店の理由は『物価高騰』。これに尽きますねえ」と語る店長と奥さん。この何日かで閉店を決断されたそうです。
寿司店の命であるお米と海苔の仕入れ額の値上げなどが、この電撃的な決断につながったんだとか。奥さんは「ほんまこの前まで、50周年でも何周年でもがんばろうって思っててん。けど、物価高騰もここまでくると...」と話してくれました。
私も先週食べにきた時に「来年の恵方巻きはこんな風に盛り上がったらいいねえ」なんて話をしていたので、突然のはり紙での発表をみて、これこそまさに「寝耳に水」でした。
奥さんは「この駒川で、これ以上値上げはでけへんなあ。この前、値上げしたばっかりやのに、もうこれが限界かなあ」と寂しそうに語りました。
既報のとおり、今年7月1日にこれまで130円だったネタは150円に。170円のネタは190円、250円のものは270円に値上げされました。
大手回転寿司店で鉄火巻を180円などで出す時代に、下の写真のような鉄火巻などを基本一皿150円で提供してくれていた寿し太郎。
それでもこの時、店長と奥さんは「まさに苦渋の決断だったんですが、このままではやっていけなくて、申し訳ないんですが値上げを決めました」と話してくれていました。
先日、店に閉店をお知らせする紙がはられると、それを見た常連さんたちからは「そんなー、それやったらなんぼでも食べにくるよ」と言う人や涙を流すお客さんもおられました。お客さんも辛い、店長ご夫妻はもっと辛いですよね。
けど、いつも明るい奥さんは「閉店までの残り期間、多くの人に食べにきていただけたらうれしいです」といつもの笑顔で語ってくれました。
店長さんも「こういうお声をいただくと、やめるのをやめよかなと思ったりします」と苦笑しながら話してくれました。
ただ、お二人は「まだこの先のことは全然わからへんけど、いつか、どこかで寿司店を出せたらええねって思います」という夢も語ってくれました。
閉店を聞いて間もなく、私も家族と食べに行きましたが、家族はその「夢」を聞くと、上の写真のようにめっちゃ食べていました(朝から食べ過ぎだろw)。
私の家族は子どものころからこの辺に住んでいて、家族や友達と何度もこの店に食べに来ていた思い出がいっぱいあるとか。なんでも初めて一人で食べにきた店は、寿司が一皿100円だったころの寿し太郎だったそうです。
「いつもニチイ(駒川店、後のSATY)の北出口を出てすぐのこの店でお寿司を食べるのが楽しみやったんや。ここに寿し太郎がないというイメージは考えられない。寂しすぎるやろ」と私の家族はしみじみ語りながら食べていました。思い出は尽きないようです。
寿し太郎は来月で開店から40年。きっと、私の家族のように、いろんな思い出をお持ちの方もたくさんおられるのではないでしょうか。
この、ゆかぷ〜の大阪まちぶらで取り上げさせていただいた際も、スマホを片手に「遠くから来ました」「まだやっててくれてうれしい」と話しかけてくれるお客さんも多かったそうです。
また、遠方に住む奥さんのご親類も今年、このゆかぷ〜の大阪まちぶらの投稿をスマホで見て、わざわざ家族10人で旅行を兼ねて訪ねてこられたそうです。
この寿し太郎で、みなさんきっと思い出をたくさんお持ちだと思います。12月31日まで営業されていますので、ぜひ、みなさん、食べに行って、店長ご夫妻と様々な思い出をいっぱい語ってください。
そして、それが自然と、店長ご夫妻の次の夢につながるといいなあと、私は心から思っています。