各球団がポスティングで得た累計金額はいくら!? 広島東洋は前田健太や鈴木誠也ら4人で約3500万ドル
鈴木誠也と契約したシカゴ・カブスは、それまで鈴木が在籍していた広島東洋カープに、ポスティング費として1462万5000ドルを支払う。鈴木の契約は5年8500万ドルなので、ポスティング費の内訳は、最初の2500万ドルの20%=500万ドル、次の2500万ドルの17.5%=437万5000ドル、5000万ドルを超えた3500万ドルの15%=525万ドルだ。
広島東洋から、ポスティング・システムを利用し、メジャーリーグの球団と契約した選手は、アレハンドロ・ケサダとラモン・ラミーレス、前田健太(現ミネソタ・ツインズ)に続き、鈴木が4人目だ。3人のポスティング費は、それぞれ、40万1ドル、30万50ドル、2000万ドル。鈴木のポスティング費を含め、広島東洋が得た累計の金額は、3532万5051ドルとなる。円に換算すると、1ドル=100円なら35億3250万5100円、1ドル=120円の場合は42億3900万6120円だ。
ポスティング費は、上限なし→上限2000万ドル→選手の契約に対する割合、と変遷してきた。ポスティング・システムの方式自体も変わっている。
埼玉西武ライオンズ(各球団名は現名称)は、広島東洋と同じ4人ながら、累計金額は広島東洋を大きく上回る。森慎二、松坂大輔、牧田和久、菊池雄星(現トロント・ブルージェイズ)の移籍により、合わせて6288万6111ドルを手にした。それぞれのポスティング費は、100万ドル、5111万1111ドル、50万ドル、1027万5000ドルだ。なお、森のポスティング費は、75万ドルという説もある。菊池の契約は、当初の4年5600万ドルから、球団オプションと選手オプションの破棄により、結局は3年4300万ドルとなった。後者に当てはめると、ポスティング費は815万ドルとなるが、実際にどちらなのかは判然しない。この記事では、森と菊池のどちらのポスティング費も、高いほうの金額で計算した。
北海道日本ハム・ファイターズが得た累計金額は、さらに上だ。ダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、有原航平(テキサス・レンジャーズ)の3投手を手放し、5170万3411ドル、2000万ドル、124万ドルのポスティング費を得たので、その合計は7294万3411ドルとなる。
一方、東京ヤクルト・スワローズは、こちらも3人、石井一久、岩村明憲、青木宣親の移籍によってポスティング費を手にしたが、累計金額は1831万ドル(1126万ドル+455万ドル+250万ドル)だ。阪神タイガースの2600万194ドル(井川慶)と東北楽天ゴールデンイーグルスの2000万ドル(田中将大)よりも少ない。
阪神と東北楽天を含む7球団から、ポスティング・システムを利用して移籍した選手は、いずれも1人ずつ。オリックス・バファローズは1312万5000ドル(イチロー)、千葉ロッテ・マリーンズは532万9000ドル(西岡剛)、横浜DeNAベイスターズは240万ドル(筒香嘉智/現ピッツバーグ・パイレーツ)、読売ジャイアンツは127万ドル(山口俊)、中日ドラゴンズは30万ドル(大塚晶則)を手にした。12球団中、福岡ソフトバンク・ホークスだけは、選手にポスティング・システムを利用させたことがない。
なお、ポスティング・システムを利用して移籍した選手は、こちらにリストを掲載した。