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各球団がポスティングで得た累計金額はいくら!? 広島東洋は前田健太や鈴木誠也ら4人で約3500万ドル

宇根夏樹ベースボール・ライター
鈴木誠也 JULY 31, 2021(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 鈴木誠也と契約したシカゴ・カブスは、それまで鈴木が在籍していた広島東洋カープに、ポスティング費として1462万5000ドルを支払う。鈴木の契約は5年8500万ドルなので、ポスティング費の内訳は、最初の2500万ドルの20%=500万ドル、次の2500万ドルの17.5%=437万5000ドル、5000万ドルを超えた3500万ドルの15%=525万ドルだ。

 広島東洋から、ポスティング・システムを利用し、メジャーリーグの球団と契約した選手は、アレハンドロ・ケサダラモン・ラミーレス前田健太(現ミネソタ・ツインズ)に続き、鈴木が4人目だ。3人のポスティング費は、それぞれ、40万1ドル、30万50ドル、2000万ドル。鈴木のポスティング費を含め、広島東洋が得た累計の金額は、3532万5051ドルとなる。円に換算すると、1ドル=100円なら35億3250万5100円、1ドル=120円の場合は42億3900万6120円だ。

 ポスティング費は、上限なし→上限2000万ドル→選手の契約に対する割合、と変遷してきた。ポスティング・システムの方式自体も変わっている。

 埼玉西武ライオンズ(各球団名は現名称)は、広島東洋と同じ4人ながら、累計金額は広島東洋を大きく上回る。森慎二松坂大輔牧田和久菊池雄星(現トロント・ブルージェイズ)の移籍により、合わせて6288万6111ドルを手にした。それぞれのポスティング費は、100万ドル、5111万1111ドル、50万ドル、1027万5000ドルだ。なお、森のポスティング費は、75万ドルという説もある。菊池の契約は、当初の4年5600万ドルから、球団オプションと選手オプションの破棄により、結局は3年4300万ドルとなった。後者に当てはめると、ポスティング費は815万ドルとなるが、実際にどちらなのかは判然しない。この記事では、森と菊池のどちらのポスティング費も、高いほうの金額で計算した。

 北海道日本ハム・ファイターズが得た累計金額は、さらに上だ。ダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、有原航平(テキサス・レンジャーズ)の3投手を手放し、5170万3411ドル、2000万ドル、124万ドルのポスティング費を得たので、その合計は7294万3411ドルとなる。

 一方、東京ヤクルト・スワローズは、こちらも3人、石井一久岩村明憲青木宣親の移籍によってポスティング費を手にしたが、累計金額は1831万ドル(1126万ドル+455万ドル+250万ドル)だ。阪神タイガースの2600万194ドル(井川慶)と東北楽天ゴールデンイーグルスの2000万ドル(田中将大)よりも少ない。

 阪神と東北楽天を含む7球団から、ポスティング・システムを利用して移籍した選手は、いずれも1人ずつ。オリックス・バファローズは1312万5000ドル(イチロー)、千葉ロッテ・マリーンズは532万9000ドル(西岡剛)、横浜DeNAベイスターズは240万ドル(筒香嘉智/現ピッツバーグ・パイレーツ)、読売ジャイアンツは127万ドル(山口俊)、中日ドラゴンズは30万ドル(大塚晶則)を手にした。12球団中、福岡ソフトバンク・ホークスだけは、選手にポスティング・システムを利用させたことがない。

 なお、ポスティング・システムを利用して移籍した選手は、こちらにリストを掲載した。

「鈴木誠也が抜けた広島東洋のように「ポスティングで選手を手放した球団」の順位は前年より下がるのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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