九州で線状降水帯の発生懸念、最悪を考えての行動を
線状の降水帯は九州付近をゆっくりと南下へ
24日(金)は上空に寒気を伴った低気圧や南からの暖湿流の影響で、九州付近で梅雨前線の活動が非常に活発となり、1日で最大300ミリという大雨が予想されています。
雨雲の予想をみると、24日(金)明け方には九州北部で雨脚が強まり、その後、昼頃にかけて、雨雲は凝縮して、引き締まりながら活発な線状の降水帯へと姿を変え、九州北部にほぼ停滞するような予想となっています。
その後、この線状の降水帯はゆっくりと南下し、夕方には熊本から鹿児島付近へと到達し、25日(土)に日付が変わる頃にかけて、九州南部付近に留まる予想となっています。
この雨雲の下で降る1時間の降水量は、佐賀、長崎、熊本で最大70ミリの非常に激しい雨と予想されていますが、もしこの線状の降水帯がさらに組織化され、発達するような場合、線状降水帯と呼ばれるような非常に危険な積乱雲の集団となり、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨を伴って、数時間で200ミリを超えるような集中的な降り方をしてもおかしくありません。
最大降水量ポテンシャルでは600ミリ超も
上図は最大降水量ポテンシャルと言って、雨雲が生成しうる最大の気象条件を加味した予想降水量で、いわば最悪の気象条件がそろった場合に最大降り得る降水量を示したものと言えます。
これによると、九州北部には赤色の400ミリ以上の所が広がっており、佐賀県内の一部には600ミリ以上を示す紫色も計算されています。
気象庁が発表している全般気象情報では、24時間の最大予想降水量は九州北部で300ミリとなっていますが、線状降水帯の発生や停滞の仕方如何ではさらに降水量が増える心配があることを示している計算でもあります。
もちろんこれは最悪の条件がそろった場合の降水量ですが、集中豪雨で大きな災害が発生するような場合、この最大降水量ポテンシャルか、あるいはこれ以上の降水量に至ってしまうことが多々あるのが現実です。
気象庁の予想している300ミリでも大変な大雨ですが、今回、降り方によっては数時間で200ミリ以上、あるいは24時間で400ミリ以上になるようなポテンシャルがあるということ念頭に置き、最悪の場合を想定して、早め早めの避難を心がけることが重要です。
今回最も危険な地域は九州ですが、その他の西日本でも雨量が増え、土砂災害や洪水、浸水の危険度が一気に高くなるおそれがります。気象庁の気象レーダーや危険度分布で、常に最新の状況を確認するようにしてください。