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【老舗(しにせ)】という言葉の意味と由来とは!? 老舗という字、当て字だったってご存じでしたか??

西端康孝コピーライター・歌人・川柳家

代々続く店のことを【老舗(しにせ)】と呼ぶことがあります。

「老」という字の印象から、長い年月を重ねて存続しているお店を想像しそうですが、実は老舗(しにせ)という字は当て字だったのでした。

意外! 【老舗】は当て字だった。老舗の持つ意味とその由来とは?

【老舗(しにせ)】の由来となるのは、【仕似す(しにす)】という動詞

《仕える》《似せる》という動詞が連なって【仕似す(しにす)】という動詞を作っていることが分かります。

「仕える」と「似せる」、つまり、それまでお店を守ってきた人に《仕える》ことで、まずは仕事の手順を覚えるということ。そして、仕事のやり方を《似せて》いくことで、先人たちが大切にしてきた仕事の在り方を会得すること。

単なる形式的なことではなく、どういう気持ちで生産するのか。どんな風にお客様に喜んでいただくのかといった内面的な部分も先輩に「仕えて」「似せる」ことで、代々、お店が大切にしてきたことを継承していくわけですね。

ひとに仕えて、ひとに似せる。

それが【仕似す】という言葉の持つ意味。仕似すが転じて【老舗】になりました。

では、歴史はあるけれども先代とは違う方法で切り盛りしているお店のことは老舗と呼ぶの??

ここまで、先人に仕えて、先人に似せていくことが老舗という言葉が持つ意味だとお伝えしてきました。

では、お店としての歴史はあるけれども、先人がしていたのとまったく違う方法で切り盛りしている場合、そのお店のことは「老舗」と呼ぶのでしょうか?

明確な基準があるわけではありませんが、この場合、老舗の持つ「何が」継承されているかという点に注目してみると良さそうです。

たとえば、代々お酒造りをしてきたのにハンバーガー店を開店した場合。

たしかに、扱う品目は変わりましたが、「お客様に安全でおいしい食をお届けしたい」という理念が継承されていたとすれば、これはやはり長く大切にしてきたものを継承していると言えそうです。

「老舗食品企業が開拓する、新たな食の世界」などと表現すれば、そのお店が大切にしてきた志をも読み手に感じてもらうことができそうですね。

西端 康孝 歌人・コピーライター(明石市在住)
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コピーライター・歌人・川柳家

各種媒体のコピーライティングや、中小零細企業のブランディングのお手伝いなどを行っています。日本語に関するクイズ番組の問題作成、川柳コンテストの審査員など、表現に関する活動は多岐にわたって。「伝わる喜びを想像して伝えるチカラを創造する」がモットー。令和4年ふあうすと川柳社正賞受賞。兵庫県明石市在住。

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