【姫路市】ここでしか目にできない貴重な展示品!「中国民衆玩具の世界」10月23日まで
玩具という言葉にワクワクしませんか。日本と世界160カ国・地域の玩具資料が約9万点所蔵されている「日本玩具博物館」。高揚感が増すばかりです。姫路駅から車で約30分で到着しました。
社会の変遷語る玩具たち
始まりは1974年。館長の井上重義さんが「井上郷土玩具館」として、収集してきた玩具を自宅の一部で公開、84年に現在の名称に改めました。今は1~6号館と中庭で構成されています。扉をガラガラッと開けると、圧倒される玩具の数々。1、2号館は常設展「日本の近代玩具のあゆみ」で、明治から平成までの身近なものが鑑賞できます。
玩具や資料をたどっていくと、一瞬でタイムスリップしたかのよう。往時を知らなくても素材や色合い、主題が移り変わっていき、世相を反映しているのがよく分かります。「懐かしい」というだけにはとどまりません。
3号館はちりめん細工の展示や年季の入ったおもちゃで遊べるコーナー、ミュージアムショップなど。ショップでは、からくり仕掛けの神戸人形にクギヅケになりました。所作が愉快なこと!
常設展示室となっているのは4号館。1階は日本の郷土玩具、2階は世界の民族玩具がぎっしり。古民家風の5号館(らんぷの家)は休憩所やイベントスペースに。中庭を通り、いよいよ特別展示室の6号館へ。
造形物からメッセージを読み解く
ただいま夏秋の特別展「中国民衆玩具の世界」を開催中(10月23日まで)。学芸員の尾﨑織女(あやめ)さんからは「造形物には“願い”が込められていて、色や形、題材を通して表現されています」と解説していただきました。
例えば、ザクロを抱える赤ちゃん。
ザクロには実がたくさんなることから「多くの子宝に恵まれますように」との思いが。他にも、桃を持つ猿は長寿の象徴で「長生きしてくださいね」とか。
メッセージを読み解くと同時に、一人一人の表情にも注目しました。「この人はこんな状況でこうでああで……」と空想をし始めると、この場所から離れがたい気持ちになります。
素材には布や土、木などがありますが、下の作品は何でできているか分かります?
答えは小麦麺。小麦粉を練った生地で作る祝い菓子は子供に人気だったそうです。
その他、色鮮やかな笛もありました。
背筋をピシッと正したくなる少し高めの音。展示ケースから代表的な玩具を取り出しての解説会もあるので、そのときに笛の音が聞けるかも。※展示解説会日時:8月28日、9月11日・25日、10月9・16日の14時から
特別展の展示総数は約1300点。玩具で時代を越え、国を越えてみませんか。
日本玩具博物館
住所:兵庫県姫路市香寺町中仁野671-3
電話番号:079-232-4388
開館時間:10:00~17:00
休館日:水曜(祝日は開館)、年末年始
入館料:大人600円/高校・大学生400円/4歳以上200円
駐車場:あり