縄文人考案!大地震到来も1500年倒壊しなかった世界遺産に活用された建築技術とは
鳥取県にあるむぎばんだ史跡公園で、再現された縄文時代の一般的な住宅「竪穴式住居」を見学できることはご存知でしょうか。
地面を掘り下げて作るというその室内は、意外にも涼しく過ごしやすいそうです。
そんな竪穴式住居について紹介します。
現代も引き継がれる古代技術
縄文時代には鉄やその加工技術が存在しておらず、当時の一般的な住宅「竪穴式住居」や動物に荒されないように床を高く設計した「高床式倉庫」に釘やボルトなどの製品は一切使用されていません。
そのため、縄文人が建物を建築する際は、木と木を彫って凹凸をはめ込む「木組み」の技術と簡易ロープが使用されたのです。
この釘を使用しない技術は日本の城や神社仏閣の建築にも活用されており、現代の「宮大工」にまで継承されています。
世界遺産にも活用!木組みの技術
「木組み」の技術が活用されたことで有名なのは、奈良県にある世界最古の木造建築でり、ユネスコ世界遺産にも登録されている「法隆寺・五重塔」でしょう。
飛鳥時代 西暦607年に建築された法隆寺には、当時貴重だった釘の類が使用されておらず、建造から現代までの約1500年ものあいだ幾度となく大地震が起きたにもかかわらず、壊滅的な被害はありません。
これは、木組みの技術と建築完成度の高さを顕著に表しているといえます。
半地下が原因?竪穴式住居の弱点
縄文時代にはクレーン車はもちろん、梯子も存在しておらず、人の身長よりも高い建物を作ることは非常に困難でした。
そのため高床式倉庫など、必要に迫られた建物以外は基本的に屋根が低く設計されているのです。
竪穴式住居は屋根が低い建物ですが、地面を掘り下げることで天井が低くても人が快適に暮らせる仕組みになっています。
そして、土地が低いことで問題となるのが雨の流入ですが、室内に溝をつくって中心に穴を作ることで雨水をためて、家の浸水を防ぎました。
台風や豪雨の際に甚大な被害を生んだ可能性はありますが、それでも非常に考えられた建築物だといえるでしょう。
このような技術が、紀元前よりも前の縄文時代から使われているというのですから、驚きです。