【富士宮市】今も歴史が引き継がれている、富士山修験の拠点『村山浅間神社』
『村山浅間神社』は、世界遺産富士山構成資産の一つです。
かつては富士山修験の拠点として栄えた富士山興法寺でした。
富士山修験とは、富士山の神力や霊力を得ようと、富士山に登り修行することを言います。
富士山興法寺は、明治の神仏分離令という神と仏を切り離すお触れの影響で、富士根本宮村山浅間神社と大日堂に分けられました。また廃止された末代上人を祀る大棟梁権現社は、村山の人々により氏神様として祀られるようになりました。
現在『村山浅間神社』の境内には、神を祀る浅間神社、仏を祀る大日堂、末代上人を祀る大棟梁権現社の3つのお堂があります。
鳥居を潜ると、階段があり、左側に社務所と御神木の大杉があります。カメラに収まらない高さの大杉は県の天然記念物に指定されています。
社務所の前を通り過ぎ、再び階段を上がると、今度は正面に村山浅間神社の拝殿、右側にイチョウの木があります。昔イチョウの木根を乳房に見立てて先端に針を差し、このイチョウは昔母乳の出を祈願したとか。垂れ下がる木根は迫力があります。
拝殿の裏には、白木で作られた神殿がありました。
浅間神社の脇に鳥居があり、細い階段があります。この階段を登り切ったところに、末代上人を祀った氏神様があります。
末代上人は駿河の国のお坊さんで富士山に数百回登って修行をしたそうです。末代上人のように修行しようと村山に沢山のお坊さんが集まるようになり、いつからか富士山と登山者を見守る神様として祀られるようになったそうです。実際に存在したお坊さんが神様になったなんて、きっと素晴らしい人格者だったのですね。
右に進むと大日堂、護摩壇があります。そして大日堂の前には水垢離場があります。
7月10日の富士山開山祭、入山式では富士山に入る前に山から湧き出る神聖な水で罪や汚れを洗い落とし、心身を清める作法を行います。護摩木に願いを書き焚き上げることで、護摩の煙が供物と願いを仏の世界に運ぶ護摩焚きが行われています。
数百年の多くの修験者や登山者が訪れ、村山三坊と呼ばれる宿坊が並び、修験の拠点として栄えていた村山浅間神社は今も、富士山信仰の歴史が引き継がれています。
ちなみに初詣は年の神様がいらっしゃる松の内(1月7日)にお参りするのが良いと言われています。
まだお参りに行けていない方は、富士山の力を取り入れ、家内安全や身体健全などを祈祷していた修験者の拠点『村山浅間神社』で、今年一年の願いを託してお参りしてはいかがでしょうか?
村山浅間神社:富士宮市村山1151
アクセス:県道72号線を裾野方面に向かい、村山ジャンボスポーツパーク野球場手前に看板があり、左折
駐車場:神社から右手に10台ほど停められる未舗装の駐車場、左手に2台ほどの駐車場有
案内所:土日祝日10:00~15:00