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まるでデジャヴ。この2人は6年前のシリーズでも、第1~2戦にそれぞれノーヒッターを5イニング以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)Oct 12, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦に、アニバル・サンチェス(ワシントン・ナショナルズ)はノーヒッターまで4アウトに迫った(「ポストシーズン史上3人目のノーヒッターは惜しくも逃したけれど…。この快投の持つ意味は大きい」)。その翌日、サンチェスのチームメイトであるマックス・シャーザーは、ノーヒッターまで9アウトに近づいた。

 まるで、6年前の繰り返しのようだ。当時、サンチェスとシャーザーは、どちらもデトロイト・タイガースにいた。サンチェスはリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦に6イニングを投げ、被安打ゼロのまま降板。第2戦は、シャーザーが6回2死まで無安打に封じた。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、ポストシーズンで同じチームの投手たちが、2試合続けて試合開始から5イニング以上をノーヒッターは、彼らしか記録していないという。史上2度目となる今年の2試合連続も、同じ2人が同じ順序で成し遂げたということだ。

 今年、第3戦に投げるナショナルズの投手は、スティーブン・ストラスバーグだ。2人と違い、ストラスバーグは6年前もナショナルズにいた。この年、ナショナルズは地区2位に終わり、ポストシーズンには進めなかった。けれども、6年前、サンチェスとシャーザーに続いて第3戦に登板したタイガースの投手は、今年のポストシーズンに出場している。ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)がそうだ。

 第3戦ではないが、10月13日に行われるア・リーグのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第2戦に、バーランダーは投げる。こちらも、6年前の試合では、5回2死までノーヒッターを継続した。

 なお、6年前と今年は、すでに結果が異なる。サンチェスはどちらの登板でも勝利投手になったが、6年前の第2戦はリリーフ投手が打たれ、タイガースは逆転負けを喫した。それに対し、今年はシャーザーも白星を挙げている。

 6年前のタイガースは、バーランダーが好投した第3戦も0対1で敗れ、結局、2勝4敗で敗退した。一方、今年のナショナルズは、シリーズを2勝0敗としている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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