【韓国文学】4月10日に発表された「本屋大賞」|韓国の小説2作品が「翻訳小説部門」1位&3位に
去る4月10日、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2024年本屋大賞」(以下、本屋大賞)が発表され、大賞に宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)が選ばれました。
「本屋大賞」とは、書店員の投票により決定する賞で、2004年に始まりました。本と読者をつなぐ“本好きのプロ”が選ぶものだけに、「これは面白い!」「これは読み応えあり!」と思う作品も多く、読書家であれば、ノミネート作品が発表された段階から、それを見届けるそうです。私(筆者)も毎年、ひそかに気になっています。
そんな中、「翻訳小説部門」において、ことしは韓国作品が2作選ばれました。
■1位=『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』
著者:ファン・ボルム/訳:牧野美加/出版社:集英社
小説『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』は当初、サブスクアプリケーション「ミルリの書斎」で電子書籍として出版されましたが、読者からの相次ぐ要望を受け、2022年1月に紙書籍としてリリースされました。新米女性書店主と店に集う人々の毎日を描いた心温まる作品で、韓国では25万部以上を売り上げるベストセラーとなっています。
■3位=『不便なコンビニ』
著者:キム・ホヨン/訳:米津篤八/出版社:小学館
小説『不便なコンビニ』は、韓国で2021年4月に初版され、続編も合わせシリーズ累計150万部を突破している大ベストセラー作品。誰もが生きづらさを抱えて生きるコロナ前夜のソウルを舞台に、人間同士の関わりが優しく描かれています。「Kヒーリング小説の傑作」と称され、舞台化もされました。
「翻訳小説部門」は、1年間に日本で翻訳された小説の中から選ばれます。2020年には『ア-モンド』が、2022年には『三十の反撃』(共に、ソン・ウォンピョン著/矢島暁子訳/祥伝社)が1位を獲得するなど、年々、韓国文学への注目度が高まっているようです。
早速、私も受賞作品(日本語版)を読みたいと思います。