NY原油7日:急反落、ドル反発で戻り売り優勢に
NYMEX原油6月限 前日比1.99ドル安
始値 60.69ドル
高値 61.31ドル
安値 58.49ドル
終値 58.94ドル
為替相場がドル高方向に振れる中、戻り売り優勢の展開になった。
需給面に特段の新規材料が見当たらない中、為替連動で戻り売り優勢の展開になっている。明日に4月米雇用統計の発表を控えているが、雇用統計の数値が悪くならないことで、改めてドル高圧力が強まるとの楽観的な見方が支配的に。これまで、原油相場はドル安連動で上昇してきた反動もあり、本日は買い玉整理の動きが優勢になった。
需給面では、特に注目されるような動きは見られない。イランのジャバディ副石油相は、米国からの供給減少を受けて、来年末の原油相場は80ドルまで上昇するとの見通しを示した。現在の価格水準は維持不可能としているが、特に目新しい分析でもなく、マーケットでは目立った反応が見られなかった。
本日の急反落については様々な解説が行われているが、やはりドル相場の動向が最大要因とみるべきだろう。需給については、米国で生産調整の動きが強くなっていることがポジティブ、過剰供給体制が維持されていることがネガティブとなり、決め手になりづらい。こうした中、ボラティリティを高めているドル相場の動向が注目を集めており、ドルと原油相場の逆相関関係が顕著になっている。本日の急落は、ドル安の支援がなければ、原油価格は売られ易い地合にある可能性が高いことを示唆している。
需給面では、サウジアラビアなどOPECからの供給が高止まりする中、シェールオイル生産が多少鈍化しても、需給緩和状態を否定するのは難しい。ドル安からの支援が続いている間は60ドル台回復の可能性が高い状況になるが、ドル安が一服した際に、現在の値位置を維持できるのかは疑問視している。