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そこにある想いとともに。『Two Tops Treasure』

杉谷伸子映画ライター

今井翼が出演を見合わせた『Two Tops Treasure Tackey & Tsubasa Tour 2014』。それでも、あくまでタキツバのコンサートにこだわった滝沢秀明の男気が溢れた12月13日の横浜アリーナ公演を取材。

困難に直面したときほど、真価が問われる。12月3日に2年ぶりのアルバム『Two Tops Treasure』をリリースしたタッキー&翼。しかし、メニエール病で療養中の今井翼が、『Two Tops Treasure Tackey & Tsubasa Tour 2014』への出演を見合わせる事態に。思いがけない困難に直面したツアーのテーマは、ファンと滝沢秀明がいかにひとつになって、この難局を乗り越えるかにあったといってもいいだろう。

オープニングで大型ビジョンに映し出された「今、僕の想いはここに存在します」(今井)、「翼を安心させるためにもみんなの声が必要です。今こそ、本当のタキツバにみんなでなる」(滝沢)というふたりのメッセージどおり、会場に溢れるのは、タキツバを支えるというファンの熱い想い。

今井の姿がステージ上になくても、これはあくまでタキツバのコンサート。今井の歌うパートは録音で流し、会場を移動するトロッコや、ゴンドラ、そしてクレーンも2台なら、スポットライトも今井がいるはずの場所に当てられている。それは今井のメッセージどおり、彼の想いがあるという滝沢の強い想いにほかならない。そして、その想いを受け止めて、「タッキー!」「翼!」とタッキー&翼のコンサート恒例のタキツバコールで、客席も熱い想いを送り続ける。

『Two Tops Treasure』の振り付けは翼が戻って来てから、ちゃんとやりたいと思っています」とニューアルバムの収録曲では歌に徹するというこだわりを見せた滝沢を、Snow Manが大人っぽさを増したダンスで盛り上げる。

多くの後輩に慕われている滝沢らしく、客席には山下智久A.B.C-Z塚田僚一の姿も。塚田が「タキツバコンサート、最高ですーっ!」とマイクなしで横浜アリーナに声を響かせれば、山下も「タッキー、大好きーっ!」と叫ぶ。滝沢もこの日メールをくれたという松本潤をはじめ、たくさんの仲間たちからメールや温かい言葉が寄せられたことを明かし、感謝していた。

滝沢を支えるファンやスタッフ、仲間たちの想いが溢れるなか、アンコール後、タキツバコールに応えてふたたび姿を表わした滝沢の言葉が頼もしかった。

「前例がないので、何が正解か、どうしたらいいのか本当に迷いましたけれども。スタッフのみなさんも言うとおり、このピンチはタキツバにしか乗り越えられないことだと僕も思っています。大阪(12月10日、オリックス劇場)でもさんざん言いましたが、僕はもう意地になってます。誰が止めようと、僕は止まりません。本当にかっこいい今井翼を観たいですし、翼をかっこいいかたちでタッキー&翼に戻したいので、みなさんの力を借りると思いますけれども、翼のためはもちろんですけれども、タッキー&翼のために僕は頑張りたいと思いますので、引き続き応援お願い致します」(抜粋)

Wアンコールを求める拍手にもお礼を述べつつ、「今日は俺ひとりだけど、翼の気持ちとコンサートやりました。タッキー&翼のコンサートです。やっぱりこの続きは、翼とやろう」とあくまでタキツバのコンサートにこだわりつづけた滝沢。

滝沢の男気と、その男気に応えてくれるだろう今井。今井が復帰してからのタキツバが、どんな世界を見せてくれるのか。新たな楽しみをくれたコンサートだった。

[セットリスト]

M0:Opining

M1:ギラメラ

M2:ラブ・スパイラル

M3:抱夏-ダキナツ-

M4:We are the T&T

【MC】

M5:Snow Man Inter

M6:ココロウルオシテク

M7:灼熱の律動

M8:雨が虹に変われば

【映像】

M9:ビバビバモーレ

M10:パピプペヤッポAlright!

M11:queen of R

M12:Number One! Only One!

M13:山手線外回り

M14:WonderlanDream

M15:ねぇ

【MC】

M16:Heartful Voice

M17:愛 Check it!〜Snowman〜

M18:REAL DX

M19:夢物語

M20:Venus

M21:Ho!サマー

M22:愛はタカラモノ

M23:Luv the Shangri-la

【映像】

M24:僕のそばには星がある

M25:Journey Journey〜ボクラノミライから

En1:Hey Now!

En2:コイゴコロHUNTER

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『SCREEN』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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